フリーランス、独禁法で保護 政府が年内にも指針
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フリーランスについては、大きく分ければ労働法を拡張して保護を拡げるか、競争法の保護を徹底させるかが議論されていました。
あくまでもイメージに過ぎませんが、前者が上下関係を前提とし、後者は対等な関係を前提としていると言えばわかりやすいかもしれません。
競争法の枠内で対応することとなったようですので、フリーランスが事業主としての責任と権利を持つ点を重視し、不当な取り扱いを受けた場合には是正させることで、市場の健全性を確保する、ということになります。
フリーランスは労働者と異なり、取引の自由がありますので、正しいアプローチだと思います。
なお、とはいえ、過去の裁判例によれば、そもそも実態としては労働者と評価できるような場合、言わば「名ばかりフリーランス」のような場合には労働法が適用されることになります。公取を中心に取り組んでいただいているフリーランスガイドライン、間もなく原案のパブコメ募集が始まります。
公式発表されたらフリーランス協会からも詳しい速報を出しますので、ご注目ください。もの凄く誤解されかねない表現がありますね。
「発注者が資本金1000万円超の企業の場合は下請法も適用する」とのことです。…いやいや、現在の下請法でも、発注者が資本金1000万円超で受注者がフリーランスの場合は、適用されますから。
(実際に役所が対応してくれるかどうかは別として)
「契約条件を書面で示さない場合」は独禁法の優越的地位の濫用を適用するまでもなく、下請法第3条違反であり、会社のみならず担当者レベルで50万円以下の罰金=犯罪ですよ(第10条第1号)。
こうしたことを十分に承知している大企業(特に長い歴史を持つもの)では、書面交付くらいはとっくに対応しています。
それに、独禁法についても、フリーランスに関する独立したガイドラインはないですが、フリーランスは、他のガイドラインで「個人事業者」として保護される旨が明記されています。
何のことはない、現在の法令やガイドラインでも、その気になれば十分に取り締まることはできます。単に、現状では役所が積極的に対応してくれないだけです。
もちろん、これから積極的に対応する前段階として、ガイドラインを明確にし、発注企業側の自主的な行動を促す目的があるのであれば、こうした動きは歓迎したいものですが。