2020/12/18

【日本電産】カリスマ永守会長が行った「人事評価」改革

NewsPicks編集部 記者

「新入社員でも明日課長に」

カリスマ経営者・永守重信会長(76)が率いるモーター大手の日本電産で、「ある異変」が起きている。
同社は、コロナ下でも業績が好調で、株価も右肩上がりだが、その一方で、今年に入って離職者が増加しているというのだ。
その背景にあるのが、今年新たに導入された「人事評価制度」だ。
この制度の運用に対して社内で不満の声も上がっており、離脱する役員や社員が出てきている。
永守会長が、人事評価制度の抜本的改革について対外的にアナウンスしたのは、2020年4月のこと。
新入社員でも明日から課長になれるような人事体系に変えた。
年齢・学歴・社歴などは、人事評価の対象から全て消えた。
(2020年4月決算会見)
人材育成を強化するため、実力主義を徹底し、評価にメリハリをつけると、永守会長は宣言した。
くしくも、2020年4月というのは、新経営体制を始動させたタイミング。日産自動車のナンバー3だった関潤氏(59)が1月に入社し、4月に新社長に就任した。
さらに、6月には、取締役の人数を大幅に削り、社内取締役(監査役除く)は永守氏と関氏の2人だけになった。
時価総額は約7.6兆円と日本企業のトップ10に入っている日本電産は、新しい経営体制となって、どう変わるつもりなのだろうか。