2020/12/21

【唐鎌大輔】コロナ後の金融市場、方向性はどちらへ

株式会社みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
新型コロナウイルスが猛威をふるった2020年。世界経済は大混乱に陥り、乱高下を伴いながら、実体経済と乖離した株高が進んでいった。2021年の世界経済の見通しについて、唐鎌大輔・みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストが分析した。
3つのポイント
①実体経済と金融市場の「ねじれ」は一段と顕著になる
②ドル安基調だが、好材料で米金利に合わせたドル上昇も
③日本には依って立つ実需はなく、ヒステリックな円高は起きない

2020年の為替市場

2020年は感染症に始まり、感染症で終わった。
しかし、最後の最後で有力なワクチン開発報道が相次いだことで眼前の「悪夢の冬」ではなく、その先にある「希望の春」を見据えるムードが金融市場では支配的となっている。
恐らく2021年も、2020年の後半がそうであったように、「実体経済の回復が遅々たる歩みでしか進まない一方、金融市場の期待膨脹が進む」という構図が続きそうだ。