アップルCEO、温暖化対策で強力な目標設定要請 国連で演説
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Appleは既に自社におけるカーボンニュートラルを達成しており、2030年までにサプライチェーンを含めたCO2排出ゼロを宣言しています。政府が強力な目標を導入すればするほど、同社の取り組みの先進性が目立ち、対応できない他社との差別化に繋がり、同社にとって有利に働くわけです。
Appleがサプライチェーンに脱炭素化を求める影響力は大きく、柔軟に対応できる拠点のみが生き残ることになります。マイクロソフトも全サプライヤーのCO2排出量を含めてこれまで放出してきた分を2050年までに回収することを目指すとしていましたが、トップの事業者が脱炭素化を周囲にも求める傾向は、今後増えていくでしょう。
技術力、コスト競争力に加え、脱炭素化への対応も、大きなサプライヤー評価項目の一つとなりつつあることは、装置や材料分野が強い日本企業も見逃せません。ティム・クック&アップル、素晴らしいです。世界のリーダーやサプライチェーンのリーダー企業が訴えかける効果は絶大です。具体的な話がなくとも、時間軸をしっかり提示しているところはさすが経営者。
「世界中の企業と政府が全力を尽くし、2021年を境にきっぱりと進路を変えるよう呼び掛ける」
多くの製造工程でCO2が排出されているわけで、製造工程を含むSCM全体を変えなければ、CO2削減は実現されません。それだからこそ、アップルが積極的にこのような姿勢を示すことは重要であり、今後環境対策ができないサプライヤーは選別されないようになっていくでしょう。私は本質的な意味で、ESGs/SDGsは価値に直結すると考えていますが、それはこのような背景があるから。
「地球は奇跡の産物であり、再生産は不可能。唯一無二の地球を守ことは、その恩恵を授かっている人類にとって地球を守ることが多大なる価値を有していることは疑いようもない」by TAKA
(記事で触れられているアップルの取り組み)
・現在、サプライヤー企業95社に対して再生可能エネルギーへの移行を支援
・対象企業は7月に開示していた70社から拡大
・今年既に、自社の事業で排出する二酸化炭素(CO2)を実質ゼロにしたことを発表
・同社が関わるすべてのサプライチェーンと商品についても30年までに実質ゼロ化する計画を示している大手企業のコミットメントにより業界全体に影響が及ぶので素晴らしい演説。
また、近年はサプライチェーン全体への影響や情報開示が重視されているので米国内のみならず気象条件や資金的な余裕の異なる国のサプライヤーまでどこまでエンゲージできるのかが問われると思います。
少し脱線しますが、ESGという文脈からは気候変動のみならず社会へのインパクトも重要であり途上国などの下請け工場の労働問題、人権などにも引き続き配慮をすることを消費者も求める傾向があります。