【幹部直撃】エヌビディアの本質は、「半導体」にはない
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ちょっとYes and Noな印象。
内容はその通りなのでYesだが、それを言うならインテルも他のチップ屋もソフトウェア開発や顧客との共同開発は大なり小なりやっているし、更に言えば逆にここに書いてあるテスラのみならずGAFAもアリババも自社チップ開発に勤しんでいる、つまりAI時代における業際メルトダウンなバトルロワイヤルはエヌビディアのみに特筆すべき特長ではないという意味で、No。
もう一つ。エヌビディアの自動車セグメントはどちらかというと苦戦しています。https://newspicks.com/news/5401484?ref=user_143212
新規事業として長く取り組んでいるが売上貢献は直近クオーターでたった3%弱。過去2年全く増えて無くむしろ減っている。
インテルが買収したモービルアイを含めた上述の業際メルトダウンバトルロワイヤル競争環境のわりに結局のところメディアが喧伝するほどには自動運転市場がテイクオフしていないなか、少なくとも業績的に善戦はしていない事は数字で明らか。
エヌビディアにとって自動車部門は引き続き先行投資R&Dであり、この会社はデータセンターでありゲームの会社、が正しい認知です。AI分析に強いGPUを設計しているエヌビディアは、GAFAやテスラなどが内製をすることで煽りを受ける企業の1社です。それに対してエヌビディアは自らソフト側を取りにいくという攻めの戦略に出ています。
ソフトを作る企業がハードへ、そしてハードを作る企業がソフトへ。それが交差するのが自動運転であり、その点で非常に面白い争いが繰り広げられています。本日はテスラの記事と併せて、その一端をご紹介します。2本あわせてご一読ください。NVIDIAは半導体業界の今や老舗企業の一社です。1993年創業。必ずしも順風満帆ではありませんでした。それは株価推移を見ても明らかです。
1999年 $1.5-2程度
2003年 $3.5-4程度
2010年 $10程度
2015年 $20程度
足元 $550程度
20年前は単なる半導体の一社に過ぎませんでしたが、2010年ごろになるとゲームを中心とした3Dレンダリングなどリッチゲームが出てくるようになり、CPU処理能力の大きな向上が必要になりました。ここでGPUが登場します。2009年とか2010年の頃。株価水準が一段引き上がります。
これだけでも頭ひとつ抜け始めましたが、それだけには止まらず深層学習、AIのトレンドをいち早く捉えて今の基盤を築きました。これで一気に株価が急上昇局面に入ったのです。
ゲームの時代でも半導体を単なるハードウェアの部品としてではなく、基礎的な処理基盤のソフトウェアとセットでエコシステムとして提供するようになりました。この思想がAIでも花開き、次世代の花形半導体プレーヤーに一気に名乗りをあげたというわけです。
とはいえ、NVIDIAも盤石ではなく、あまりにも市場規模が大きく、自動運転始めAIが搭載されるプロダクトの優位性を左右するため、垂直統合か水平分業かという典型的な議論が起きる業界でもあります。
自動車メーカーの再編もNVIDIAとは無縁ではありません。ただ、今のように自動車メーカーのシェアが分散している状況が続くのであれば、仮にテスラのような企業がいたとしても、NVIDIAの存在価値は高いままではないかと思います。
テスラが自動運転の実装データでこのまま圧倒的なポジションでいるなら、ソフトウェアで優位性を築く可能性もあります。イーロン・マスクはまさにそれを狙っているのでしょうが、他のメーカーもそれを黙って見ているわけではありません。各自動車メーカーとそれを含めた周辺企業の今後の打ち手から目が離せません。