Ｓ＆ＰグローバルがＩＨＳマークイット買収で合意、約390億ドル相当

（ブルームバーグ）：米金融情報サービス会社のＳ＆Ｐグローバルは、同業のＩＨＳマークイットを株式交換により約390億ドル（約４兆500億円）相当で買収することで合意した。

30日の発表によると、ＩＨＳマークイットの普通株１株はＳ＆Ｐグローバルの普通株0.2838株に交換される。ブルームバーグが試算したところでは、ＩＨＳマークイットの27日終値におよそ4.7％のプレミアムが上乗せされたことになる。

Ｓ＆Ｐグローバル株主は合併後の新会社の約67.75％を保有し、ＩＨＳマークイット株主は約32.25％を保有する。

Ｓ＆Ｐグローバルのダグラス・ピーターソン最高経営責任者（ＣＥＯ）が合併後会社のＣＥＯとなり、ＩＨＳマークイットのランス・ウグラ会長兼ＣＥＯは合併終了後１年間、特別顧問としてとどまる。

買収には48億ドルの債務継承も含まれ、ＩＨＳマークイットの企業価値を440億ドルと評価した。

ブルームバーグ・ニュースの親会社であるブルームバーグ・エル・ピーは、金融分析・情報の提供でＩＨＳマークイットおよびＳ＆Ｐグローバルと競合している。

原題：S&P Global Agrees to Buy IHS Markit for About $39 Billion（抜粋）

大槻奈那
ピクテジャパンシニア・フェロー名古屋商科大学大学院教授
・2020年12月01日
個別企業の格付という、ミクロのデータに強いS&Pですが、トレーディング情報やマクロデータはやや弱い。IHSマークイット社はこれに対して補完的。より包括的なマーケットデータグループとなると思います。
その昔、S&Pは、今の格付符号(「AAA」など) を利用する権利を他社から買収し、普及に至ったとされており、意外と買収は昔から「好き」な会社という印象です。

しかし、この金額はすごいですね… 改めて、情報産業の興隆を実感します。
DJ Nobby
経済ニュースパーソナリティ
・2020年11月30日
今朝から観測報道は出ていましたが、合意との報。
マーケットデータ配信は設備投資がキモとなる商売でもあるため、合理化の流れは致し方ないところです。

一方で、寡占化が進むことで市場関係者に不利益が出ることも容易に予想されます。今後の規制のあり方も問われそうです
赤井厚雄
株式会社ナウキャスト取締役会長
・2020年12月01日
マークイット社をその創業まもない頃から知る者の一人として、390億ドルという評価には色々な意味で感慨深いものがあります。