【モーリー・ロバートソン】アメリカの分断、最悪シナリオとは
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米国の強みは、危機が起きても克服してきたことにあるので、危機自体はめずらしいものではありません。独立革命の時、南北戦争の時、ベトナム戦争末期の時に比べて、今そこまでの危機が起きているかというと、一見そこまででもないでしょう。
ただ、この記事の要点は、米国は何度も危機を克服してきたように見えて、本当は克服しきれていなかった、ということです。もし、危機が克服されないまま累積してきたのであれば、誰も予想していなかったところで、危機の山が崩れ落ちてくるでしょう。
米国は、多様性を実現しながら成功した国の見本と見られてきました。何といっても経済的にも軍事的にも最強で、文化的にも絶大な影響力がありました。
そして、米国に人種差別があることはよく知られていましたが、それで内戦が起きるというほどではなく、大虐殺も起きず、つまり世界の大部分の国よりはましで、改善の途上にある、と見られてきました。黒人でも出世しているし、果ては大統領になるくらいだから、改善しているように見えました。
世界の国々は、米国の人種政策をそのまま真似するのは無理があると感じつつも、特に各国のリベラル派は、自分たちの国も米国のようになるべきだと主張し続けてきました。
米国の多様性は、結局増え続けるGDPによって実現していた、というところがあります。経済が崩れれば、それまでうまくいっていたように見えた多様性は、一気に火種となる、という例は、旧ユーゴスラビアの時のように、いくつもあります。
1980年代は、ベトナム戦争の後でも、マイクロソフトやアップルが出てくる底力がありました。問題は、やはり、今、そのような底力があるでしょう。
トランプ派には、基本的には懐古しかありません。中高年白人ばかりのトランプ派が、『YMCA』を歌いながら行進するやや異様な光景は、各地で見られました。若い世代は、確かに乗れないでしょう。
若い世代は、懐古は嫌でしょう。ただ、「社会主義」や環境問題が危機を克服する突破口になるのかというと、かなり微妙です。米国が今やるべきなのは、1980年代に日本を徹底的に研究して、場合によってはそのモデルを取り入れたように、中国を徹底的に研究して、取り入れるべきところは取り入れることでしょう。どうも、年代を問わず、米国人はあまり中国のことを突きつめて考えようとしていないように見えます。国内の分断と、グローバルにおけるGゼロの状態に注目が集まっていますが
「そもそもグローバルで、リーダーは必要か」
と思ってしまいました。
本記事にある
「内心、内向きでいることが心地良いのに、儲けるためには外に出ていかないといけない」
もともとアメリカは孤立主義がベースだった、というのは面白い気付きでした、
もう10年前から、地政学リスク、グローバルリーダー不在の世界(Gゼロ)を、ユーラシアグループとともにPwCでも伝えてきましたが、ふと
「そもそもグローバルリーダーって必要なのか」
「グローバル化は正なのか」
と。
グローバルアジェンダは、まとめて議論されがちですが、分けて考えた方が良いのかもしれません。
・経済・貿易
・環境問題
・安全保障
・サイバー空間
などでしょうか。
このうち、グローバルで協調すべきは、環境問題くらいなもので、後は無理にグローバル化しなくても良いものなのかもしれません。
正しくは、「ルールベース」「アジェンダ毎に異なるリーダー」で良いのでは、という感じです。
これまで、全てのアジェンダにおいて、圧倒的なアメリカというリーダーがいる、という構造のように見えていましたが、よく考えたらそれは現実的では無いのかもしれません。
企業間で連携する際に、それぞれ得意な領域のプレイヤーで組むように、グローバルアジェンダについても、そんな風に出来ないのかな…
グローバルで協調すべきアジェンダ、各国個別で良いもの、まぁそこの認識合わせをするのにも一苦労なのでしょうが。バイデン氏が新閣僚の指名に向けた動きを加速させる中、トランプ氏は選挙結果をひっくり返すべく、訴訟を継続しています。
そしてその間にもネット上では両候補の支持者が火花をちらしています。
専門家の多くが「この4年間でアメリカは変わってしまった」と口にします。
近年で間違いなく最もパンチのある大統領だったトランプは、アメリカを一体どのように変化させたのか。
NewsPicksは奇才モーリー・ロバートソンさんにインタビューしました。
トランプが開けてしまった「パンドラの箱」からリベラル派がなぜ白人労働者に支持されないかまで、モーリーさんのユニークで複眼的な分析です。