2020/11/13

【速報】12兆円規模の「独身の日」で売れまくった日本ブランド

川端 隆史
NewsPicks/SPEEDA/INITIAL編集部 チーフアジアエコノミスト
世界で最もモノが売れる日がやってきた。11月11日、「独身の日(ダブルイレブン)」である。
今年、中国EC最大手のアリババは期間を延長して、11月1日からの大セールを開催。傘下のTmall(天猫)とタオバオ(淘宝網)を合計した11日間の総取引額は4982億元(約7兆9000億円)に上った。
楽天市場の日本国内での年間取扱額が3兆9000億円なので、アリババは11日間で楽天の2年分を売りさばいたことになる。
これにシェア2位のテンセント系JD.com(京東)を加えると12兆円超えという規模だ。
しかし、アリババは王者として安住している訳ではない。
新興ECで地方都市を中心に急成長しているピンドォドォ(拼多多)や、バイトダンスが運営するライブコマースで脅威的に成長しているドウイン(抖音、日本ではTikTok)も人気を博している。
期間を大幅に延長した拡大版「独身の日」は、王者アリババが王者であり続けるための施策でもある。
そうした激しい「独身の日」のなかで飛ぶように売れる日本商品もある。日本ブランドの中国市場での「勝ち筋」が見えてくるイベントでもあるわけだ。
NewsPicks編集部は中国のEコマースや日中越境ECに詳しいunbot(東京都渋谷区)のグローバル営業統括責任者の福積亮氏を直撃。終了したばかりの「独身の日」を分析してもらった。

売れまくった日本の美顔器と化粧品

ーーー期間が11日間と例年に比べて長かったとはいえ、アリババは昨年の2倍近い約7兆9000億円を売りさばきました。全体をどのように総括しますか。また、販売が好調だった日本企業はどこですか。
福積 例年との大きな違いは、期間を2回に分けたことです。11月1〜3日を「第一波」、11月11日の従来のイベント日を「第二波」としました。