大山加奈が不妊治療の全てを明かした「キャリアと自分の人生、両方を手に入れられる社会になってほしい」
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産婦人科医として感じること、伝えたいことが2つあります。
①妊娠は頑張っても必ず叶うわけではない、とても重要なことです。
一方で、可能であれば妊活を先延ばしにしないようにするとか、パートナーとよく相談して2人の足並みをそろえておくとか、諦めずに妊活続けるとか、努力できることはいろいろあります。
誰でも不妊治療しなくてすむに越したことはないですし、なるべく不妊治療しないですむように、不妊治療が必要になったとしてもそこまで苦しまずにすむようにやれることはいろいろあります。
②不妊に関することでの心ない言葉、、先日のアトピーの話もそうですが、他人には自分の知らない事情がなにかあるのかもしれない、という想像力があると、他人を傷つけずにすむかなぁと思うことがあります。自分自身も気をつけねばと思いますし、子どものうちからそういう感覚を教えていくことは大事だな、、と子育てしながら思っています。子どもをすごく欲しいと思ったことがない私でも、共感できました。
不妊治療を始めた頃に、お医者さんに
「今すぐに欲しいわけではないんですけど…」
とカウンセリングで切り出した瞬間に
「そんな人は帰って下さい。そもそも子供を欲しいと思わないなんて…」
と言われて、びっくりして「すみません」と謝ってしまったのですが、ほんとに悲しくて悔しくて泣きそうでした(けど、絶対この人の前では泣かない、と思って堪えましたが)。
もちろん、その病院は使命を持っていて、きっと一人でも多くの、心からお子さんを望んでいる人のために時間を使いたい、ということだったんだと思います。なので、私のような中途半端な想いでお願いしては迷惑だったな、申し訳なかったな、と今は思えるのですが、その瞬間は本当に悲しかった。
なんで仕事の時には、あんなに堂々と、誇りと自信を持っていられるのに、自分の人生について見ず知らずのおっさん(すみません)に私はこんなに弱々しく「すみません」とか言ってんの?ってか、なぜ自分の人生の選択を、他人に謝らないといけないの?と。
治療自体の大変さも当然ありますが、特定の価値観が本当に心を傷つけて、女性の自信を失わせることもある、ということもわかってもらえたら嬉しいです。