2020/11/11

【3分解説】革命到来か。「コロナワクチン」の現在地

NewsPicks NY支局長

「新時代の幕開け」

「ファイザーによるワクチンの成功によって、厄災の年となった2020年は、従来のワクチンが遺伝子ワクチンに取って代わられた年としても記憶されるだろう」
ベストセラー伝記『スティーブ・ジョブズ』の著者として知られるジャーナリストのウォルター・アイザックソンは11月9日、米ワシントン・ポストへの寄稿でこう指摘した。
実は、アイザックソンは現在、今年ノーベル化学賞を受賞したゲノム編集技術CRISPR-Cas9に関する新著を手掛けており、それに関連してこの8月に、米ファイザーによる新型コロナウイルスワクチン開発の臨床試験に参加していたのだ。
ファイザーによるワクチンの治験(写真:Dogukan Keskinkilic/Anadolu Agency via Getty Images)
アイザックソンが治験者になってまで注目するのは、このワクチンが、コロナウイルスの収束のカギとなるだけでなく、「新たなバイオテクノロジー時代の幕開け」となるとみているからだ。
とはいえ、その最新テクノロジーの核心に迫る前に、まず世界中で株価が急騰するほどのお祭り騒ぎとなった今回のワクチン発表の「現在地」からおさらいしたい。