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コメント
注目のコメント
今年はベートーヴェン生誕250年の「ベートーヴェンイヤー」。本来であれば世界中でこれでもか!というほどのベートーヴェン関連のコンサートが予定されておりましたが、コロナ禍でほとんどが中止に。ベートーヴェンは今頃墓場で泣いていることかと。
さて、現代はA(オーケストラで最初の調弦で出されるラの音)=440Hz とされていますが、ベートーヴェン時代に使われていたチューニングはA=430Hz。さらにバロック時代はA=415Hz(今で言うラ♭)、と「ラ」の音ひとつとっても時代によって違うんですね。
実は今夜みなとみらいであの「第九」を演奏するのですが、なんと当時の古楽器を(せっかく現代人が改良して弾きやすくなった楽器を無視して)使用し、430Hzのチューニングで(絶対音感の耳にはかなりつらいですが)演奏します。
時代によってピッチや楽器が全く違うことを知るだけでもとても興味深いです。この特集をきっかけに軽い気持ちでクラシックを聴いてみようかな〜と思ってもらえたら嬉しいです!
(ちなみに「春の祭典」を作曲したのはシェーンベルクではなく、ストラヴィンスキーですね)【追記】
作曲家名直していただきありがとうございました。作曲家と作品名のミスもなおっていてよかった〜。しかしまた見つけてしまった!
もう一個!『月に憑かれたピエロ』は歌曲集とは言わないな…
ちなみに楽劇王としてオペラ作曲家のワーグナーが挙げられていますが彼の作品は上演にお金と時間(最長の《ニーベルングの指環》は4部作で15時間。)がかかるため、あまり上演されません。オペラ最大の作曲家といえばやはりヴェルディ、他には本丸のイタリアオペラだとロッシーニ、ドニゼッティ、ベルリーニ、プッチーニ。フランスだとフランスのワーグナーと言われたマスネ、グノーも有名ですね。ドイツでは、ワーグナーと共にリヒャルト・シュトラウスを忘れるわけにはいかないでしょう。
オーストリアではモーツァルトはもちろんですが、オペレッタ作曲家としてのヨハン・シュトラウス2世、レハールを忘れることもできません。いやはや…キリがないですが…オペラについては問い合わせが多いので、ビジネスパーソン向けの初めて見るオペラ講座をやってみようかな…と計画中です。
12/4にはコンサートもあって、まさにヴェルディとワーグナー中でも、ワーグナーの「ワルキューレの騎行」を歌う予定です!地獄黙示録の曲ですね〜
昨日も別コンサートの制作打ち合わせでしたが、制作会社の方も「もう止めてはいけないとわかりました。」とおっしゃっていて、本当にそうだな、と。少しずつでも公演を行っていこうと決意を新たにしています。
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まず誤植、作曲家の名前が違います。オペラ作曲家の項ですが
ヴィヴァディ→ヴェルディ
ヴェルディはオペラ《椿姫》、《アイーダ》などを作曲したワーグナーと同時代のイタリア人です。世界的に見てもワーグナーのライバルで、《アイーダ》の作曲の時には依頼主が「あなたがやらないならワーグナーに頼みます。」と言ってヴェルディを焚きつけたという逸話も。
多分誤植の元となったのがヴィヴァルディ。彼はバロック時代の作曲家でヴェネツィアで多数のオペラを作曲、上演しましたが、そのほとんどは散逸してしまっていると言われています。『四季』が有名ですね。
さて全世界でオペラの上演回数は1万回。そしてコンサート二万回の中にもオペラ歌手や声楽家が出演するコンサートが多数あるわけで、あらためて如何に声楽がポピュラーか実感したところです。現在、世界中で、何万もの劇団が廃業の危機に瀕しています。オーケストラやバレエ団なども、存続が難しいところが多く、何千もが解散に追い込まれるでしょう。
コロナ禍は、間違いなく世界中で文化のあり方を変えてしまうでしょう。ライブハウスやバンドも、もはや続けられないところは出てくるでしょう。大学生の演劇やバンド、オーケストラにしても、大学の施設は使えなかったりするし、そもそも新人勧誘がほとんどできていません。発表の場もありません。Youtubeにアップして興行収入を確保すればいい、といっても、簡単なことではありません。
クラシック音楽とオーケストラというのは、近代市民社会の申し子です。18世紀におおよそ今のかたちになりました。それまでに何が起きたかというと、千年近くは、キリスト教会が音楽の圧倒的に最大のスポンサーでした。音楽家は教会に雇われ、教会のための音楽をつくる、というのが大半でした。
教会は、人間の声のみによる音楽を最も優先し、合唱が発達しました。楽器、特にトランペットのような吹奏楽器は悪徳に近いとされ、教会の音楽からは排除されてきました。
ルネサンスと宗教改革の後、18世紀には、絶対王政が成立し、王家と大貴族の宮廷が教会に並ぶスポンサーになりました。18世紀のバッハやヘンデルは、教会に勤めたり、王や貴族の宮廷に勤めたり、転職を繰り返しました。
18世紀末、モーツァルトは宮廷のために作曲しましたが、晩年は、民間の劇場のためにオペラをつくったりもしました。
19世紀、産業革命が進展し、市民社会が経済的力を持ち、中産階級の消費者がフルオーケストラやオペラ劇場を支えられるだけの財力を持ちました。
しかし、20世紀後半には、大きく時代が変わっており、ビートルズの時代には、世界中のオーケストラは、補助金なしでは存続できなくなっていました。クラシック音楽もオーケストラも、経費がかかる割には興行収入が少ない、すでに滅びゆく文化でしたが、コロナ禍で拍車がかかっています。