2020/10/30

【数字で見る】エアバスより厳しい、ボーイングの「苦境」

平井 啓一朗
NewsPicks 編集部
苦しみはコロナ前から始まっていた。
米航空機大手ボーイングが28日、2020年第3四半期(7〜9月期)の決算を発表した。
最終損益は4億6600万ドル(約485億円)の赤字(前年同期は11億6700万ドルの黒字)、売上高は前年同期比29%減の141億3900万ドル(1兆4757億円)となった。
最終赤字は2019年第4四半期(10〜12月期)から4期連続。つまりコロナ前から、赤字が続いていることになる。
これは、2019年3月より本格化している主力小型機「737MAX」問題の影響が大きい。2度の墜落事故を受けて、同月より運航停止、2020年1〜5月は生産を取りやめていた。
昨年、22年ぶりの通期赤字を計上したが、2020年通期はそれ以上の減収減益になりそうだ。
コロナと737MAXの二重の問題を抱えるボーイング社は今後、再浮上できるのか。
欧州のライバル会社、エアバスとの比較も含めて、決算の数字を基に現状を把握しよう。

コロナより「ヤバい問題」

まず、737MAX問題とは何か。