[ワシントン/ウィルミントン(米デラウェア州) 28日 ロイター] - トランプ米大統領は28日、自身の所得税納付に関する報道を巡り、「数百万ドルの税金を払った」と述べた上で、他の納税者と同様、減価償却や税控除を活用する資格があったと擁護した。

米紙ニューヨーク・タイムズは前日、トランプ大統領が過去15年のうち10年間も所得税を納めておらず、2016、17年の連邦税納付額はそれぞれ、わずか750ドルだったと報じた。税金還付書類によると、数億ドル規模の課税所得を得ていたものの、事業損失との損益通算を行ったためという。

トランプ大統領はさらに「保有する資産の価値に比べ債務は極めて小規模で、私の状況はアンダーレバレッジだ」と主張した。

再選を目指すトランプ大統領と、野党民主党の大統領候補ジョー・バイデン前副大統領による第1回テレビ討論会を29日に控え、民主党はトランプ大統領への攻撃姿勢を強める。

ペロシ下院議長はMSNBCに対し、トランプ大統領の抱える債務は「国家安全保障に関わる問題」と主張。債権者がトランプ大統領に影響力を及ぼす恐れがあることから、国民は債権者を把握する必要があると強調した。

ディック・ダービン上院議員もMSNBCとのインタビューで、トランプ大統領の所得税納税を巡る報道について「驚きはない」とし、「いわゆる億万長者のビジネス帝国は、砂上の楼閣だ。トランプ氏は近く、数億ドルの個人負債に直面する。また、(確定申告を使い)一連の事業の失敗のてこ入れを迫られた」と述べた。

下院歳入委員会のリチャード・ニール委員長はツイッターへの投稿で、トランプ大統領が自身の利益のために税法を巧みに利用したと批判し、納税記録提出を求める同委員会の取り組みの重要性が浮き彫りになったと述べた。

バイデン陣営の世論調査員もツイッターで「一部の有権者の怒りを買うだろう」と指摘した上で、バイデン氏は「富裕層や大手企業に公正な額の税金を払わせる」と強調した。

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