実践トヨタ生産方式 (1) 「トヨタ1強」は「1歩でも前へ進む気持ち」から生まれた
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トヨタ生産方式について、久しぶりそれが人間中心の哲学こそその本質であるという文脈で書かれた記事を読みました。
豊田章男社長の危機感が、どこにあるかと言えば、まさにトヨタ生産方式の原点が組織内部、しかも本来それを支えるべき基幹職の人たちに受け継がれていないというところにあるのだと思います。
モノづくりにおいても、3Dソフトウェアやコンピュータシミレーション、ジェネレーティブデザイン、AIなど、油と騒音の中で体得しなくても、仮想空間でコンピュータが多くのことをやってくれます。
一方でECUも複雑になり、ソフトウェアのバグ取りも複雑になっているだけに、ソフトウェア開発にもトヨタ生産方式のプラットフォームを開発して、大きなエコシステムを構築していかなければ、とてもGAFAとの戦いに勝てないという、豊田社長の直感があります。これはテスラに出資し、イーロン・マスクの起業家精神から、恐らく得た確証でしょう。(それを確かめるためだけに、テスラにトヨタ生産方式を伝授したとさえ言えます)
そうだからこそ、現場のオヤジである河合満を副社長にしなければならなかったのでしょう。
そしてGRヤリスは、レーシングカーを市販車にするという、逆転の発想で、作り上げた豊田社長の次世代トヨタへのメッセージだとさえ言えます。
これは他社にはできないモノづくりです。そしてこれを本当に量産車へと展開する、次の挑戦の布石です。これにトヨタの基幹職がどう答えるか? 河合満がそれを見ています。