iPhone受託生産メーカー、7000億円のインド誘致策の対象に-関係者
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5年以上前から、市場の大きさや中国の人件費高騰なども背景にEMSのインドシフトの議論は出ていた。ただ、部品メーカーなどサプライチェーン構造など含めて、議論の大きさの割に進んでいなかった。
ただ米中貿易摩擦も背景に、そしてインドの国内産業振興のための誘致策も背景に(この報道は8月くらいから出ていた)、ここ1年ほどは再度進んできている印象。
過去Pickから振り返り。
2015年7月:Hon Haiが2020年まで200億ドル投資してApple用の組み立て工場を作るという報道
https://newspicks.com/news/1059628
2015年10月:インドシフトが、部品メーカーの躊躇で思ったように進んでいないという報道
https://newspicks.com/news/1187977
2018年5月:Pegatronがインド進出方針を決定
https://newspicks.com/news/3030068
2018年7月:Samsungがインドにスマホ工場をオープン、年0.7億台キャパで2020年の拡張工事で1.2億台となる計画
https://newspicks.com/news/3161622
2019年4月:Hon HaiがインドでiPhone Xの試験生産を開始するという報道。なお、この時点でiPhone Xは廃番モデル
https://newspicks.com/news/3792548
2020年3月:iPhone 11、インドで組み立てる計画があったが中止という報道
https://newspicks.com/news/4699145
2020年8月:一点、インドでiPhone 11組立開始という報道
https://newspicks.com/news/5122391
2020年8月:インドの政策誘致にHon Haiなどが申請したという報道
https://newspicks.com/news/5127407FoxconnやWistronはもともと旧型iPhoneの現地組み立てを行っていたので、今回のWhat’s Newは現行モデルの生産投資に対するインセンティブなのであろう。
もともとMake in Indiaの下で、海外(中国など)から子部品を輸入してでも現地組み立てを行い、世界への輸出を促進し、現地雇用を増やすという方針であったが、今年5月にアナウンスされた「Atmanirbhar Bharat (self-reliant)」の下で、ようやく現地サプライチェーン構築による雇用促進を目指すと明確に方針修正が入った。17年末くらいからエレクトロニクス製品は輸入関税も徐々に引き上げられていた中、18年末からは景気後退やルピー安も進行し、そこに米中摩擦が起こり、Make in Indiaが思うように成功しなかったモディ政権としてはここぞとばかりにサプライチェーン構築によるチャイナ「+1」の立ち位置確保を目指し政策注力することに決めたようである。実はiPhoneのインド生産は、かなり前から始まっている。フォックスコンやウィストロンが海外向けの生産を増やすのであれば、満を辞してということだろう。iPhoneの生産におけるポスト・チャイナは、ベトナムかインドかという二者択一ではなくて、分散ということになるかもしれない。