火災保険料、築年数で変動=住宅向け、自然災害多発で―大手損保
コメント
注目のコメント
火災保険も「リスク細分型」の幕開け。保険料の値上げと同タイミングということですが、築年数によって変動幅を拡大する考え方自体は、全体の保険料値上げとは別の動きです。保険商品のしくみからすると、本来は対象物件で損害が発生する可能性に応じて保険料を定めるわけで、築年数によって変動させるのとさせないのは、リスク算定の「精度」の問題。
修理費用を補償するのは自動車保険も火災保険もしくみは同じですが、自動車保険は事故によって自分の所有物の損害を補償するよりも、対人や対物といったように、相手の損害を補償する機能のほうが大きい。これに対して火災保険は、自己の所有物件に生じた損害を補償する機能が中心ですので、対象物件の属性によって保険料を変動させるのは理にかなっています。
ただ、築年数によって自然災害の被害にどれだけ違いが出てくるのかは、例えば地震保険のように建築年によって保険料に差があるのが「耐震性」に違いがあることからきているように、築年数によって屋根や外壁の壊れやすさにどれだけの違いがあるのかによります。さらに、火災保険は地震保険と違って壊れやすさだけでなく、修理費用つまり「原状復旧」の工事の費用のかかり方によっても損害認定の規模感が違ってきます。
この点、築年数による「経年劣化」は自然災害による被害とは別物で、基本的に保険対象ではありませんから、そうした要素をどれだけ反映できているのかは気になります。不動産所有者で家賃収入のある方々は、減価償却費で固定資産の簿価が減少していくにつれて、損保負担が増える流れになるとのことですね。今は建物は税務上の償却方法は定額法しか取れませんから、保険も築年数で定額で増加していく感じかな。
保険料が将来上がっていくと分かっていれば、ローンも元金均等払いで後のキャッシュアウトを減らす融資実行が増えるかもですね。