投資、設備から人材へ 日立が全16万人にDX研修
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DXを推進する上で重要なのが、人(個々人のスキルだけではなく、組織・文化を含め)であることは間違いないと思います。
PwCがグローバルで実施した「グローバル・デジタル・オペレーション調査*」の調査結果でも、「ヒトがDXの要である」と結んでいます。
この調査の中では、「デジタル化が進んでいる企業」と「未成熟な企業」で分類しているのですが、デジタル化が進んでいる企業は59%が人員を強化するための研修に大きく投資をしています。一方未成熟な企業では5%に留まっています。
「DX人材」というと、どうしてもスキル面(Pythonが使える等)に目が行きがちですが、DXを推進する上ではマインドセットやbehaviorの視点も重要です。PwCで自分のデジタル度を測るDigital Fitnessというアプリを展開しているのですが、その項目は「スキル」「マインドセット」「行動」「リレーション」に分かれています。「スキル」以外の項目の方が多いのがポイントで、個人的にはとても納得しています。
DXを推進するにあたっては、「失敗を恐れない」「新しいものへの好奇心」「社内外の人たちとのオープンな協創」などが極めて重要です。スキルを向上させるだけではなく、こういった文化の醸成も併せて取り組んでいきたいところです。
そのためには、「経営層がデジタル化された将来についての明確なビジョンを持っており、ロールモデルとなっている」ことが必要です。この「ロールモデル」というのがポイントで、残念ながら日本のCEOは、グローバルと比較した際に、自身のデジタルスキルのDevelopmentに最も取り組んでいない、という調査結果もあります。デジタルスキルを理解することにより、発想やマインドの変化も起こると思うので、是非Cクラスの皆様ご自身から率先してトランスフォーメーションして頂けると、DXも加速するように感じます。
*26カ国1,155社の製造業各社の経営陣にインタビューを行い、自己評価で点数をつけて頂き、それらをデジタルオペレーションの成熟度として評価している
参照:https://www.strategyand.pwc.com/jp/ja/industry4-0/global-digital-operations-study-digital-champions-jp.pdfDXって、無駄なことを止めて、面白いムダかもしれないことやってみようと考えるのが宜しいのでは。
データ分析の研修するよりも、組織の情報共有がなぜ進まないのかを見直すのと日本語の研修が必要かもしれませんね。
最後は人によるデータの解釈とセマンティック・ギャップに繋がるので。
追記
この世に客観的なファクトなど無いので、DXなる分析をしたので思考停止で受け入れて下さいねとならないように。コンサル・シンクタンク調査もしかりです。それぞれの会社の全社戦略や事業戦略と歩調を併せて実施されるのであれば、非常に良いことだと思います。
しかし、こうした記事に煽られて、「うちの会社でもDXだ。DX人材育成だ」と戦略もなく、ただそういう研修を受けさせると、かえって何の会社なのかもわからなくなるし、社員も学んだことが生かせないとやる気を喪失するリスクもありますね。
よくよくまず自社のビジネスを見直し、必要な変革に取り組みつつ、人を育てる仕組みをしっかり考えることがあってのこうした人材育成であろうと思います。