2020/9/5

【独白】菅義偉、これからの日本を語る

NewsPicks CXO
NewsPicksがお届けしてきた「緊急特集ポスト安倍」。自民党総裁選に出馬を表明した3人の候補者のうち、最後は菅義偉・官房長官にご登場いただこう。
NewsPicksの単独インタビューが実現した。
これまでメディアでの露出が全くなかったわけではないが、「影の総理」と呼ばれるほど、“補佐役”に徹してきたのも事実。
次期首相候補として何を目指すのか。なぜ出馬を決意したのか、それはいつ頃のことか。
そして、日本の産業構造をどう変えていくか。携帯事業や地銀以外に、強化・再編が必要な業界とは。彼の人物像と「頭の中」に、いま迫る。
菅 義偉(すが・よしひで)内閣官房長官
1948年12月6日生まれ(71歳)。秋田県出身。高校卒業後、集団就職で上京し、段ボール工場での勤務を経験。73年法政大第二部(夜間学部)法学部政治学科を卒業後、衆議院議員小此木彦三郎氏の秘書、横浜市会議員などを経て、96年衆議院議員選挙に初当選(神奈川県2区)。総務相などを歴任し、2012年より内閣官房長官。拉致問題担当相なども兼任

総理室に呼ばれてよぎった「予感」

──安倍首相が辞任します。
 このコロナ問題が起きて、総理の体調が、あまり良くないように感じていました。私は、1日に2回くらい、総理とお会いしていますから。
8月に入って、「休まれたらどうですか?」と申し上げてきた。
しかし総理は、「コロナ禍でこういった状況の中で、休むわけにはいかない」と。非常に真面目な方です。
足元では、インフルエンザの季節が近くなると、またコロナが拡大すると言われていましたので、総理とはそういった事態に備えるための対策を作っていました。
それと、日本の経済。2020年4〜6月のGDP(国内総生産)が、まさに「戦後最悪」の下落という状況に陥った。
総理が辞任会見をした8月28日(金)の午前中、私は定例会見をしていました。それが終わると、総理室に呼ばれたんです。