異例の呼びかけ 台風10号に “特別警報級” 早めの行動を
コメント
注目のコメント
台風10号については、今朝の段階の予報からもさらに進路が西寄りになってきており、現時点では九州の西側の海上を上陸せずに通過していくという可能性も出てきています。上陸するよりは良いようにも感じますが、海上を進むと台風としての勢力がほとんど落ちず、台風の進路の右側にあたる九州の広い範囲で強い風雨となることが考えられます。
ちなみに最近の台風で、似たような勢力で九州に接近、上陸した台風としては1991年の台風19号や、1993年の台風13号が挙げられます。ともに最大風速は50mとされており、中心気圧も940hPa以下でしたので今であれば特別警報発出基準となります。今回も鹿児島や長崎では台風に近く、仮に上陸しなくても台風の特別警報が発表される可能性があります。
また台風の東側では湿った空気が山にぶつかるところで大雨となる可能性があり、2005年の台風14号で宮崎県で1000mmを超える大雨となったことも頭をよぎります。仮にこのレベルの雨となれば大雨の特別警報が出されることになるでしょう。
また台風の進路はずれてくる可能性がありますので、九州に限らず西日本の方は今一度ハザードマップを確認し、避難行動の基準を決めておく機会としてください。ハザードマップ上危ないとされている地区では場合によっては避難準備等の情報がない段階でも災害が発生する可能性があります。避難勧告や避難指示などの情報をまたず、警報が出された段階で適切に避難を行い、安全な場所に身を置く必要があります。ハザードマップ上何もない地区でも、特別警報となるとひとごとではない場合がありますので、ライフラインの寸断に備えた防災用品の補充や確認、ご近所との声を掛け合うタイミングなど今からできることはたくさんあります。これは大変なことになりそうですね。特別警報は出された時点で避難するのはかえって危険です。避難先で特別警報が出されたのを知る、という行動を心がけてください。つまり、特別警報ではなく、警報の時点で避難を考えることが大切です。
本当に危険です。最大限の警戒が必要です。
それとは別の話ですが、接近する4日前に、こうした予報ができることにおる種の感慨を覚えます。私が気象庁担当だった30年前は、コンピュータを使った「数値予報」という言葉がようやく一般に広がり始めた頃でした。「数値予報」自体はそのはるか昔に始まっていましたが、週間予報が可能になり、気象庁も会見で週間予報の正確性をアピールしていました。ある日の会見で。その正確性を示す中で「4日先からの的中率は50%で‥」と説明しました。私はそのまま正確性が上がっている文脈でとらえたのですが、他社のベテラン記者が「バカやろう、50%ならゲタ予報だろう」と一喝、確かにゲタを投げて表裏で占うのと変わりません。会見した担当者は、恥ずかしそうに「その通りです」と認め、私は記者の勉強の大切さを思い知りました。
その4日先をここまで予測できる進歩です。でも今回は、はずれてほしいと思います。