【完全解説】複雑な「海運ビジネス」をゼロから理解しよう
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注目のコメント
登場人物が多く複雑な海運ビジネスが1分でわかるように工夫されています。
海運業界は「海事クラスター」と呼ばれるくらい関与者が多く、記事中以外にも多数の当事者が存在しています。
金融の視点から説明すれば、証券化商品のイメージと重なります。
「船主」は証券を発行するSPCならぬMulti-Purpose Companyのようなビークルで、船をレンタルする「海運会社」からのキャッシュフローを資金供給者である銀行等(証券化商品であれば投資家)へ還流する役割を担います。
このため、記事中で説明のある通り、船の建造発注時からキャッシュフローの流れを確定させるための当事者が確定している必要があるのです。
シップファイナンスというスキームで、複雑そうに思えるかもしれません。しかし、(余談ではありますが)シップヤードを地元に抱える伊予銀行は地銀でありながら、専門性に長けており、海事クラスターを追いながらシンガポール支店を開設(実際は駐在人事務所の支店化)を図ったりしています。なかなかここまで詳細に解説してくれるメディアはありませんので、この記事を読めただけでもNewspicksをやってて良かったと本気で思いました。
道義的責任を言われると確かに保険でカバーされる以外のところについても補償を求められる可能性は高いし、一部報道ではWIFIを求めて進路を変えたことが原因とも言われており、そうなると過失は否定できないので、なかなか当事者にとっては厳しい負担になりそうな気がします。<追記>記事と合わせてSchenkoppさんのコメントが必見!記事の一番の根幹をシンプルに理解でき、加えて実務家の方のコメントでさらに深く理解できる瞬間が一番嬉しい&楽しい!
Schenkoppさん:https://newspicks.com/user/121732
<追記終>
グローバル分業が進む中で、自分たちが知っていると思うことでもその裏側はとても複雑なことが多い。海運もそうで、それが分かりやすい。
下記のバルチックドライ指数のチャートを見ていただきたい。バルチックドライ指数は、今回座礁したバルカー船という種類の船をスポットでのレンタル費の指数(サイズごとにケープ、パナマックスなどあり、下記はその総合指数)。一番下の長期チャート見ていただくと、ピーク・ボトムで10倍以上と極めてボラが高いことが伺えるかと思う。
記事に、船主と海運会社でレンタル費が決まっているとある。どこまで決まっているかの詳細(最低ライン、期間、バルチックドライ参照するのかなど)は知らないのだが、スポットと長期レンタルは別とはいえ、こういう構造がある中でもものすごいボラがある世界。
https://chartpark.com/baltic.html