2021/3/22

【スマートドライブ CEO】僕が孫正義さんと差別化できるところ

SmartDrive 代表取締役 CEO
クルマのアクセサリーソケットに挿すだけで装着できる、小さなデバイスがある。このデバイスはインターネットに接続され、急ブレーキや急発進の回数、どの道を何キロで通ったのかなどの運転データを記録・収集するというもの。

このデータを分析することで、「安全運転をする人は安くなる保険」「高齢者の運転見守りサービス」「企業の営業車の効率的な配車」など、幅広いビジネスにつなげているのが、スタートアップのスマートドライブである。

創業者の北川烈CEOは31歳。2013年、大学院時代に起業した。海外にも事業を拡大し、オープンプラットフォームにしたいと野望を語る。若き起業家の思考に迫った。(全7回)
北川 烈(きたがわ・れつ)/スマートドライブ CEO
1989年東京生まれ。慶應大学商学部卒業。大学在学中に国内ベンチャーでインターンを経験し、複数の新規事業立ち上げを経験。その後、米国に1年間留学してエンジニアリングを学んだのち、東京大学大学院に進学して移動体のデータ分析を研究。大学院在学中の2013年10月にスマートドライブを創業し、代表取締役に就任。 移動体から集めているセンサーデータを解析するプラットフォームを展開。データを活用した新しい自動車保険の開発や、車両の管理、物流向けソリューションなどの事業を行っている。
INDEX
  • 理想のワークライフバランス
  • 遅れて生まれてきた強み

理想のワークライフバランス

スマートドライブを創業して、約8年が経とうとしています。当初、寝る暇もなく働いていた時期と比べれば、ここ1~2年で仕事の面でも変わったし、私生活でも変化がありました。
2013年、創業当時のオフィス
仕事の面では、あまり自分一人で頑張ろうと思わなくなってきました。
今社員は100人くらいですが、30~40人だったころまでは、僕が頑張れば頑張るほど結果が返ってきた感覚があったので、単純な足し算のような働き方をしていました。
土日祝日も関係なし。土日のどちらも会社に行かなくなったのは、本当にここ1年ぐらいのことです。「土日に休んだら負け」という強迫観念があった。とにかく自分が働くことでパフォーマンスを上げていくという発想でした。
ところが社員が50人を超えてくると、僕がいくら頑張ったところで、僕一人の占めるボリュームは全体の1~2%にすぎない。
それより会社にとって掛け算になるような働き方ができれば、もしかしたらプラス10%、20%になるかもしれない。今はそういうふうに考えるようになりました。