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2020/7/13
米中冷戦は、中国を強くするか
中国最大の半導体受託製造企業・SMIC(中芯国際集成電路製造)の株価上昇が続いています。
背景には、米中冷戦の深刻化があります。アメリカの半導体輸出規制に対抗して、中国が半導体の国産化を急いでいるわけです。
そうした中、世界大手には水を開けられているものの、中国最先端の半導体製造技術を持つSMICに今、期待も資金も集まっています。
香港証券取引所に上場している同社は、7月中にも中国版ナスダックとも言われる、上海証券取引所「科創板」(通称スターマーケット)へ重複上場する見通し。
科創板は、半導体、光学、機械学習をはじめとした、いわゆるディープテック分野のベンチャーが並んでいる注目のマーケット。アメリカで上場できなくなった中国のTech系スタートアップが今、この市場に流れています。
SMIC社が提出した公告によると、4分の1に相当する新株をここで発行し、追加売り出しを含め、最大で532億元(約8100億円)を調達する見込みです。
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(執筆:片平知宏、編集:池田光史・泉秀一、デザイン:黒田早希、バナー写真:Sompong Rattanakunchon/Getty Images)