【解説】ファーウェイで「ネットフリックス」が観られない理由

2020/7/9
ファーウェイスマホは、まだ買いではない。
前回の検証記事において、NewsPicksのコメント欄にはファーウェイのスマートフォンに対する厳しい意見が寄せられた。
【検証】ファーウェイスマホは「Google無し」でもアリなのか
ハード面でのスペックは高いものの、グーグル系のサービスや一部の人気アプリが使えない点が最大のネックとなっている。
米国からの制裁により、ファーウェイの新しいスマホにはグーグルのGMS(Google Mobile Service)が非搭載で、独自のシステム「HMS(Huawei Mobile Services)」で代替しようとしている。
HMSで独自路線を歩むファーウェイに、勝算はあるのか。本記事では、「GMS非搭載」による影響と「HMS」の実力をお届けする。
中国を拠点とし、エンジニア目線でOSやファーウェイ問題を分析しているインターネットプラス研究所・澤田翔所長に解説してもらった。
2強に敗れた「第3のOS」たち
──ファーウェイが独自のOS開発を進めています。
澤田 実はこれまでにも、iOS、Androidに続く「第3のOS」として名乗りを上げたシステムはありました。
ファーウェイ同様、スマートフォンでシェアを握るメーカーは、収益の最大化を狙い、自社OSの開発を進めてきました。
また、スマホメーカーはクラウドや家電など複数の事業を持っている場合も多いので、自社製品間での連携を深める意味でも、OSを開発するメリットがあります。
例えば、韓国・サムスンの「Tizen OS」。スマホの世界シェアでトップを走り続け、かつ総合家電メーカーであるサムスンが、自社OSを開発することは必然でした。
(写真:Hindustan Times / 寄稿者)
しかし、スマホ業界ではそれほど浸透せず、2018年にTizen OS搭載のスマホ開発から撤退しました。
彼らの家電に共通搭載されるOSとしては生き残っていますが、スマホにおける「第3のOS」にはなれませんでした。
また、GAFAの一角でもあるアマゾンも「Fire OS」という、独自のOSを開発しました。
彼らは電子書籍端末である「Kindle」を皮切りに、独自OSを積んでWebブラウジングなども楽しめるタブレットの普及、さらにはスマホの発売ももくろみました。
しかし、当初の狙いほど普及はしていません。
2014年に鳴り物入りで登場した「Fire Phone」も、市場では受け入れられませんでした。現在ではタブレットも電子書籍専用にシフトしつつあり、Fire OSは「Fire TV」などに活用されています。
他にもマイクロソフトがノキアを買収して開発したスマホ向けの「Windows Phone」など、巨大企業がこぞってチャレンジしてきましたが、いずれも敗れ去っています。
──なぜ、第3のOSは定着しなかったのでしょうか。