【猪瀬直樹】小池百合子さんには、二度と騙されない

2020/7/6
昨日、投開票が行われた東京都知事選挙で、小池百合子候補が約366万票を獲得して圧勝(開票率99%時点)。再選を果たし、第21代東京都知事となった。
しかし、世界屈指の巨大都市・東京には難題が山積している。
コロナ禍はいまだ収束していない。その対応策を講じながら、アフターコロナの世界をにらんだ都市再構築も推進していかなければならない。
明治以来の旧制度下で進められてきた首都改造をバージョンアップする、リーダーシップと行政手腕が問われているのだ。
再選を果たした小池都知事に、その当事者能力はあるのか。
前回都知事選の告示直前となる2016年7月13日、NewsPicks編集部は「猪瀬直樹が語る、東京のガン」を公開した。
この記事は大きな反響を呼び、小池氏当選の後押しになったと言われている。
あれから4年。「小池氏当選の一助を担ってしまったことに責任を感じる」と、元都知事の猪瀬直樹氏は振り返る。
小池都政の問題点とは何だったのか。そして現在の東京都の行政が抱える課題とは何か?
作家活動40年の集大成となる『公〈おおやけ〉日本国・意思決定のマネジメントを問う』を上梓する猪瀬氏が、総括した。

小池に都政改革を託した背景

4年前のNewsPicksインタビューに僕は、「期待したい。選択肢がほかにない。小池さんは、内田都連幹事長、森組織委員会会長に対して、しっかり照準を合わせています」と答えました。
樺山卓司元都議会議員の自殺の真相、「都議会のドン」と言われていた内田茂元東京都連幹事長をめぐる問題などを語ったNewsPicksインタビューは話題となり、7000Picksを超えた。
僕のTwitterでは4万4000リツイートされ数百万人に届き、多くのメディアが後追いでニュースにしました。
猪瀬直樹が語る「東京のガン」
そして、小池さんは僕のところに相談に来た。2016年都知事選、告示日前のことです。
彼女は、内田氏の権力の肥大化を食い止めると僕に語りました。当時の都知事選候補者で、小池さん以外に自民都議会が巣くう都政を改革できそうな人はいないと判断したため、僕は彼女を応援したのです。
僕はそのことに、今、責任を感じている。
4年前に何があったのか。この4年間の小池都政を、順を追って語りたいと思います。
小池さんは前回都知事選の告示後、「『都議会のドン』の支配ではなく、都民のための都政を取り戻す」と内田氏をやり玉に挙げ、演説しました。
2011年7月1日に自殺した樺山卓司さんの娘さんから「父は内田氏に憤死した」との連絡をもらっていた僕は、その遺書を公開した。
「これは全マスコミに発表して下さい。内田を許さない!!人間性のひとかけらもない内田茂。来世では必ず報復します。御覚悟!!自民党の皆さん。旧い自民党を破壊して下さい」
すると小池さんの街頭演説にどんどん群衆が集まり始めた。
具体的に、樺山さんが内田氏に何をされたか。