米中「スペースウォー」の行方
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GPSについては、すでに社会的インフラとして機能していますが、もとは軍事目的のものであり、selective availabilityといって民生向けの信号についてはわざと誤差を大きくするような操作が行われる恐れがあるものという位置づけでした。2007年に、そうした機能を今後は搭載しないこととすると発表されており、有事でもいきなり信号の精度が悪化するという心配は当面はないものと考えることができるようになっています。
一方で、安全保障面を理由に各国でも同様の衛星の整備が続いており、日本でも「みちびき」の運用が始まったことは記憶に新しいところです。現在は4機体制ですが、将来的には東アジアを対象として7機体制とする予定ですし、GPSとも互換性のある信号が使われていますので、たとえばいきなりGPSがすべて停波しても、みちびき衛星が4機見通せれば従来の機器でも引き続き最低限の測位ができるので、測位サービスの連続性を保つことができるようになります。
航空分野でも当然利用は進んでおり、現在ではGPSの信号にのみ対応した機器類が大半ですが、今後は各国の測位衛星に対応した機器が使われることになるでしょう。今までの無線標識による航法では精度の問題で航空路線の間隔を詰められませんでしたが、測位衛星を利用することでより間隔をつめて航空路線が設定できるようになりました。
飛行機の着陸についても、従来は地上からの誘導電波を用いていましたが、今後は測位衛星の補強信号を送信するだけで精密な誘導を行えるようになるとされています。誘導電波の設備に要するよりもはるかに安く設置できるので、地方空港の就航率の向上も期待できます。GPSは今や生活の色々な場面で使われている。
もしも突然GPSの利用ができなくなったら、精度が急に悪くなったら、重大な事故や損害につながりかねない。
では自国でGPSに代わるGNSS(Global Navigation Satellite System)を開発運用するかというと、費用および周波数権益の問題で実現は容易ではない。記事にも書かれているが、各国の地理条件(位置関係や国土の広さなど)をふまえ、各国それぞれの安全保障の計画の中の一要素として議論する必要がある。
この記事は、今後中国が北斗を経済と安全保障も含めた外交に使ってくる可能性を示唆している。各国は、これから中国から問われるかもしれない。米国と中国、どちらの経済圏および安全保障同盟の傘下に入るのか?と。陸海空がほぼ米国に抑えられている現代.中国は宇宙に逆転の活路を見出しているのだと思う.我々はそんな中国を利用しようとしているのも現実で,GNSSの精度を上げるために北斗に対応した機器も一般的になってきた.