新着Pick
349Picks
Pick に失敗しました

人気 Picker
アストラゼネカはイギリスに本社を置くもののトランプ大統領による「ワープ・スピード作戦」によって支援されている製薬会社の1つです。ワクチン開発自体はオクスフォード大学によって行われ、アストラゼネカが製造と販売を担います。

今回日本国内供給に向けて協議が行われたのはAZD1222という名の、アデノウイルスベクターワクチン です。ワクチンは私たちの免疫細胞に予行練習をさせ免疫記憶を誘導することが目的で、現在様々なタイプが開発されています。共通する点はウイルスが持つタンパク質を何らかの手段で体内に届け、それに対して免疫応答を誘導することです。

このワクチンは、アデノウイルスに新型コロナウイルスが細胞への侵入に使うスパイクタンパク質の設計情報を運ばせて、私たちの細胞にタンパク質を作らせる方法が取られています。アデノウイルス自体はもともとチンパンジーで風邪を引き起こすものが使用されていて、細胞内での増殖が不可能な弱毒株が使用されています。

本ワクチンの臨床試験に関する記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59687340Y0A520C2000000/

ワープスピード作戦についての記事
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-06-04/QBDEP5T0AFB901
アストラゼネカのRNAワクチンは、臨床試験の進行状況という点で言えば、トップランナーの一つです。すでに、最終試験である第三相試験の参加者のリクルートが始まっています。

この試験は、試験期間として1年間が予定されており、本来の手順では来年の夏に最終結果報告、その後秋以降に使用開始という流れとなります。しかし、事の緊急性から、早ければ今秋から冬の中間報告の段階で大量生産が開始となり、冬から春以降に供給が始まる可能性もあります。

実験動物ではすでに高い効果が示唆されていますが、人間でどうなるかはあくまで臨床試験でしか分かりません。安全性と有効性が確認されればという条件付きになってはしまいますが、そのようなタイムラインで登場する可能性があります。
「日本国内向けの購入・供給」はもちろん大変重要ですが、それだけでは、大きな流れを見失います。

新興感染症は、世界全体で解決しなければ、収束しません。したがって、途上国を含めて、ワクチンを世界でどのように分配するか、が極めて重要になります。

「鳥インフルエンザの検体共有問題」というものがありました。
2005年からインドネシアで発生し、死者を出していた強毒性のH5N1鳥インフルエンザについて、インドネシアは、ワクチンを製造するために不可欠な検体(ウイルス)に知的財産権を主張し、その提供を拒否しました。

理由は、ワクチンを製造する能力は先進国企業にあり、したがって、インドネシアが検体を提供した結果、ワクチンを製造した先進国の製薬企業が大きな利益を上げる一方で、検体提供国であるインドネシアをはじめとする途上国は、高価なワクチンを購入することができず、それは極めて不公平だという主張です。

この問題を解決するために、WHOにおいて、2007年から加盟国間で繰り返し協議が行われました。わたくしも参加しましたが、先進国と途上国の溝は大変深く、4年にわたる協議を経て、ようやく2011年5月のWHO総会で決議が採択されました。途上国も先進国も「新型」になり得るウイルス検体をWHOに提供し、製薬業界と協力してワクチンを製造、そして、ワクチンが必要な途上国は、優先的に生産量の一定部分の提供を受けられるという仕組みに同意しました。

そして2020年、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、4月24日に、WHO、各国、ゲイツ財団、CEPI(伝染性疾病予防イノベーション連合)等がテレビ会合を開き、治療薬やワクチンの開発を加速させる国際協力に結束して取り組むと表明しました。

6月27日、WHOは、ワクチンが開発された場合でも、途上国に行き渡らない可能性があるため、来年末までに20億本を確保し、そのうち10億本は、途上国に分配するという方針を示しました。その上で、ワクチンや治療薬の開発・確保には、今後1年間で313億ドル(3兆3500億円)が必要になるとして、各国に協力を呼びかけています。

いま私たちは、グローバルな視点で、生命を守り合う必要があります。
どのワクチンが実用化に至るか、それがいつ頃か、まだ未知数ですが、
開発と並行した交渉は国として重要ですし、
あわせて、ワクチン接種の優先順位の検討なども必要になりますね。
ワクチンは開発競争と同様に、自国分の需要をいかに早く確保するかの国家間の競争が激化しています。
その意味では、英国のオックスフォード大とアストラゼネカが協力しているワクチン候補は、最も期待が大きいフロントランナーです。アストラゼネカは治験が終わる前の段階から英国、フランス、ドイツ、イタリア、オランダが自国分のワクチンを供給する契約を既に結んでおり、米国も自国のワクチン候補とは別に同社のワクチンを予約受注しています。
開発競争で遅れをとっている日本が、欧州の有望なワクチン候補の囲い込みに加わるのは予想された動きでした。仮に中国が製品化一番乗りを果たしても、米欧と日本は輸入に躊躇するのではないでしょうか。
アストラゼネカがオックスフォード大学とともに開発を進める新型コロナウィルスのワクチン。私が聞いているところでモデルナのmRNAワクチンは輸送中に超低温を維持する必要があり、そのようなインフラは先進国でもキャパが足りないとのこと。そうした輸送に課題を持っていないアストラゼネカ/オックスフォードの方が実用性は高そうだと。もちろん効果があることが証明されることが前提ですが。
日本で供給が始まるのが2020年末となると、世界中に行き渡るのはどんなに早くても2021年いっぱいはかかってしまいますね~。

となると、東京五輪は中止になる可能性が極めて高くなります。

参加国でウイルス感染が沈静化していないと五輪開催によって世界中からウイルスが東京に集中し、新たな感染源になって世界中に飛び火してしまうからです。