【三木谷浩史】「がん治療」は、ここまで進んだ

2020/7/4
楽天が、最先端のがん治療法の開発を関連会社で進めていることは、あまり広くは知られていないかもしれない。
楽天が22%出資し、持分法適用関連会社の楽天メディカル(米カリフォルニア州)が、「光免疫療法」と呼ばれる新しいがんの治療法に2013年から取り組んでいる。
楽天メディカルが開発を進める光免疫療法の大まかな仕組みは、こうだ。
まず、がん患者に特殊な薬を注射し、治療の標的となるがん細胞へ薬剤を結合させる。そこに「赤色光」という光を当てると、物理的反応によってがん細胞が死滅する。
まだ開発中の医薬品と医療機器で治験(臨床試験)の段階であるが、現在、開発の最終段階の「フェーズ3(第3相試験)」に入っている。
そもそもがんの治療法には、大きく外科手術、放射線治療、抗がん剤による化学療法がある。そして、こうした既存の治療法に加えて、最近では、免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」のような免疫療法も実用化されている。
楽天メディカルが開発しているがんの光免疫療法は、さらに新しい「第5のがん治療法」とも言える。