[24日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は24日、米経済生産が新型コロナウイルス危機以前の水準に回復するのは2022年終盤ごろとの認識を示した。さらに、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の影響で、経済成長の一部は永久に失われたと述べた。

エバンズ総裁は「途方もなく多くの人々や企業に壊滅的な経済的打撃が及んだ。さらに残念なことに、最も脆弱な層が最も深刻な痛手を被った」と指摘。「私の景気回復見通しでは、米経済は3年後もコロナ危機が発生しなかった場合の水準を下回っている」と述べた。

5月の米雇用統計で示された予想外の改善については、基調的な需要がアナリスト予想よりも力強いことを示唆している公算が大きいとした。

さらに、予想よりも早い時期に消費者や労働者が経済活動の再開を安心と感じている可能性があると指摘しつつも、「新型コロナの断続的で局地的な流行への対応が成長への足かせになると想定している。予想よりも早期の経済再開が感染状況を悪化させた可能性がある」と述べた。

米国の失業者数が約2000万人に達し、支出や経済活動の減速がインフレを圧迫する中、自身のキャリアにおいて見通しを巡る不確実性は最大とし、最悪のシナリオに基づく見通しに対するリスクでさえも「下方に傾いている」と述べた。