技師不要30分でコロナ検査 日大や塩野義、秋にも
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日本大学の桒原教授と東京医科大学の河島教授らが開発したSATIC法という測定技術に基づいた新型コロナウイルス検査に関する記事です。SATICはSignal Amplification by Ternary Initiation Complexesの略語です。この検査はPCR検査や抗原検査と同様にウイルスの有無を判定します。2016年に国際誌にSATIC法自体の開発が発表されており、本検査の特許申請は5月11日付けで行われているようです。
PCR検査の場合はウイルスRNAをDNAにしてから(逆転写)、増幅させますが全体で最低数時間が必要です。このSATIC法は検体に微量に存在するRNAの存在をビーズの凝集や蛍光へのアウトプットにできる技術です。SATIC法の場合は検体を95度2分で加熱したのちに試薬液と混ぜ37度にするだけで25分後には結果が出るという手軽さが特徴です。簡易抗原検査キットではウイルスタンパク質を検出し約30分ほどで結果が出ます。
塩野義製薬と量産向け検査キットの開発でライセンス契約を結ぶということで感度や特異度を調べたデータも今後公表されていくでしょう。現状はPCR検査と抗原検査の2つが状況に合わせて行われていますが第3の手段となるか今後の動きに注目です。
プレスリリース
https://www.nihon-u.ac.jp/uploads/files/20200514164352.pdf
SATIC法開発の原著
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.analchem.6b01192タイトルの「技師不要30分でコロナ検査」というのは既存の「抗原検査」でも実現されていました。
ただし、抗原検査の問題は検査感度の低さにあり、PCR検査以上に見逃しが多いという問題がありました。
今回提案されている検査手法の新規性は、検査が抗原検査同様に簡便であるにも関わらず、PCRレベルの検査感度を期待できるという点にあります。
しかし、現実問題として検査精度を語るにはPCR検査との一致を見る臨床試験のプロセスが必要で、その結果を見るまでは、本当にPCRレベルの検査感度と言っていいのか、PCR検査の代用として用いることができるのか、判断は難しいと思います。
検査精度が十分高いと確認できれば、活躍の場面は数多く出てくることと思います。PCR検査や抗原検査と同様に、ウイルスの有無をみる検査ですが、
抗原検査よりも感度特異度が高く、かつ、PCR検査に劣らない精度となれば、
国内だけでなく世界中で活用されうるのではないかと思います。
むしろ、日本よりも、まだまだ感染拡大している国でこそ必要なのかもしれません。
もちろん、簡便かつ精度は同程度ではやい、となれば、PCR検査にとってかわりうります。
さらに、唾液で検査できるとなればベターですが。