米政府、3種類の新型コロナワクチン第3相試験を今夏に計画-DJ
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第三相試験は、最も大切な行程です。この試験で、初めてワクチンの有効性が評価されるからです。
第三相試験は、第一相、第二相試験と比較してより大規模の方を対象に行われます。被験者は、2つのグループに分類され、ワクチンまたはワクチンに瓜二つの偽物のワクチンのいずれかを投与されます。そして、それぞれのグループでの新型コロナウイルスの感染者数や感染による死亡者数の比較が行われます。ワクチンのグループで感染者や死亡者が少なければ、ワクチンが有効であることが証明されたことになります。
トップバッターのモデルナの試験は、3万人程度の参加を見込んでいます。これだけ興味関心が高まっているので、参加者を集めることには苦労しないと思われますが、試験を成功させるには、感染流行が生じている地域を選ぶことが大切です。感染流行が起きていない地域で試験を行っても、ワクチンか偽薬かに関わらずそもそも感染が起きず、有効性を評価しようがないからです。早くても7月の開始なので、直前まで流行感を追いかけながら、どこの地域で重点的に行うか、フレキシブルに見定める必要があります。
なお、この試験の結果で有効性が確認されれば承認され、販売されていくことになりますが、あくまでも短期的な効果の確認をもとにした承認ということになるでしょう。「ワクチンが一年間有効か」といった長期的効果は、当たり前ですが、7月開始なので、来年の夏以降まで分からないということになるからです。第3相試験の意味合いについては山田先生のコメントをご参照下さい。
今後、日本でも国産ワクチンの臨床試験が行われることになるかと思いますが、日本では幸い感染が落ち着いているので、有効性評価のためには他国との連携が必要になるのではないかと。ワクチンはいつまで抗体がもつか、そもそも抗体はつくれているのか、コロナにも欧州型や中国型などがないのかなど問題点。流行期前に打たないと意味がない。年中流行していればいつ打てばいいのとなる。個人的にはみんなが安心して暮らせるよう治療薬が早く出て欲しいです。