【プロ直伝】ランニング、続く人がやっている3つのコツ

2020/6/5
リモートワークで陥る運動不足。その解消にランニングをはじめた人も多いだろう。
せっかくはじめた運動習慣を続けるコツは何か。
青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化を担当するなど、多くのアスリートをメンタル・フィジカル両面で支えている中野ジェームズ修一氏に聞いた。
中野ジェームズ修一(なかの・じぇーむず・しゅういち)/1971年生まれ。フィジカルトレーナー、米国スポーツ医学会認定運動生理学士。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナーとしてトップアスリートから一般人まで数多くのクライアントを持つ。2014年からは青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化も担当し、箱根駅伝4連覇に導いた。

運動不足にランニングが最適な理由

リモート生活が続いたこの1カ月弱、ランニングに出ると、「最近、走りはじめたな」と思われる人にたくさん出会うようになりました。
一般的なスニーカーで走っている人などもいて、もっとシューズ選びや走り方に気を付ければ効果的なのに……と思うこともしばしばです。
ランニングは非常に効率のいい運動です。今回のリモート期間を経たさまざまな体調の変化の解決策になりえます。
例えば「コロナ太り」という言葉がありました。体重が増えた、ぽっちゃりしたと感じる人が多いようです。
対策としてウォーキングや、(家で)筋トレなどが推奨されていましたが、なかでもランニングにおける消費カロリーの効率の良さは明らかです。
100キロカロリーを消費しようと思えば、ウォーキングだと50分程度かかりますが、ランニングだったら10分程度で済みます。単純に、5倍の消費量の違いがあるのです。
また、リモートによる運動不足がもたらす体の変化として筋肉量の低下があります。これは疲労やちょっとした運動での息切れなどにも繋がる。
東京大学の研究発表に「20歳を過ぎてから何も運動しないと、年に約1パーセントずつの筋肉量が減っていく」というものがあります。基礎代謝の低下です。
そしてその1パーセントのほとんどが「下半身の筋肉」でした。腕まわりやお腹まわりの筋肉というのは、簡単には衰えない。
つまり、運動不足による筋肉量の低下は下半身から来る。
ランニングは当然、下半身の筋肉が鍛えられます。筋肉量の低下を防ぎ、基礎代謝をあげることができるわけです。
他にも、走ることで骨への刺激を与え(実は、走っているときというのは常に微細骨折を繰り返していて、それを修復する力が働くことで骨が強くなります)、骨粗鬆症予防になる、といった効果もある。
このようにランニングはさまざまなメリットがあります。
では、具体的にどうやってどのくらい走るといいのか。
ランニングについて誤解されがちなポイントから見ていきましょう。

誤解1.走行時間「1回20分以上」