【名和高司】ユニクロにあって、「三菱商事」に足りないもの

2020/5/28
商社不要論が叫ばれて久しい。
トレードビジネスで稼げなくなり、資源価格の下落によって巨額の赤字を計上するたびに、商社の存在意義を問う言説が飛び交ってきた。
しかし、そうした逆風とは裏腹に、商社は安定して利益を上げ続けてきた。
2020年3月期でも、赤字に終わった丸紅を除けば、5大商社は数千億円規模の純利益を残している。
それでも──。
デジタル化する社会において、今度こそ商社が「本当に」不要になると語る経営学者がいる。
ファーストリテイリングや味の素など、日本有数の事業会社で社外取締役を務める名和高司氏だ。名和氏は三菱商事でファーストキャリアを過ごし、商社の強みも弱みも熟知している。
これからどうすれば勝者は生き残れるか。処方箋を語ってもらった。
Topics
☑️商社は今「分岐点」にいる
☑️「アセットの時代」の終わり
☑️「足し算」では評価されない
☑️有形資産の「ゴミだめ」になる
☑️会社を2つに「分割」せよ
☑️今の商社に「足りないもの」
☑️コロナショックは「チャンス」

商社は今「分岐点」にいる

──元三菱商事社員として現場を経験し、現在は経営学者の視点からも分析をしている名和先生の目に、今の商社はどう映りますか。