(ブルームバーグ): 国内通信大手のソフトバンクは新卒採用の選考で、新たに開発した人工知能(AI)システムを5月末から導入する。動画面接の際の合否判定に使うことでより客観的な評価が可能になるほか、従来に比べ選考時間を約70%短縮できる。

25日に発表した資料によると、新システムはAI開発企業のエクサウィザーズ(東京都港区)と共同開発した。ソフトバンクがこれまで蓄積したインターシップ選考での動画データや熟練採用担当者による評価などから学習し、合否を判断する。AIが合格と判定した動画の応募者は次の選考に進み、不合格の場合は人事担当者が動画を確認し、最終判断する。

新型コロナウイルスの感染が拡大した中、企業は人事担当者と応募者の対面接触を回避するため、インターネットを使った採用活動を増やしている。ソフトバンクでは1月、移動時間や費用削減を目的に総合職の書類選考後に行っていた集団面接を廃止し、動画面接へ変更した。今回の新システム導入で短縮された時間は就労体験型のインターシップの拡充などに使いたい考えだ。

ソフトバンクでは毎年約400人の新卒社員が入社する。コロナ禍の4月に入社した社員はオンライン入社式に参加した後、グループ研修もオンラインを活用して行われた。

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