スタートアップが重視すべきは利益か?成長か?
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コロナ禍以前、WeWorkに関する問題が表面化したあたりから、スタートアップに対してもより利益を重視すべきという見方が強まってきました。
この点、利益と成長のバランスを考えるにあたっては、
・勝者が独占的地位を獲得できる「Winner Takes All」が可能な市場か?
・持続的な成長が期待できる十分に大きい市場か?
・獲得したシェアを維持できるスイッチングコストの高い市場か?
・市場を獲得した後に十分な収益が見込める市場か?
といった点についての検討が必要でしょう。
加えて、外部の資金調達環境に関する把握も不可欠です。十把一絡げに「SaaSだからうちのバリュエーションはPSR ◯倍であるべき!」というのは間違えだと思います。
記事にある通り、Winner takes allの状態にあるかどうかはとても重要な観点です。そして、全てのSaaS企業がWinner takes allな状態にある業界にいるわけではありません。Winner takes allになるのは、ユーザー同士の繋がりが仕組み化されているなどの理由でネットワークの外部性が働く場合です。
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その上で、M&AやIPOのプライシングにてSaaS企業のバリュエーションを行うときには、やはり「数年後の利益がどのくらいになるのか」を計算しないとそれなりにフェアな水準がどうか判断がつきません。米国の投資家の間では、SaaSビジネスの成長性と収益性のバランスを確認する指標として「40%ルール(「年間の売上高成長率と営業利益率の合計が40%以上である状態を健全とする目安」)」という水準が共有されている。
顧客の定着がなければ、CAC(顧客獲得コスト)はかかる一方で、どんどんユーザーが抜け落ちていき、LTV(顧客生涯価値)も下がっていく。
資金調達等の外部環境や競争環境の変化を意識しながら、利益か成長かのバランスを見極めることが重要。
1、独占的地位獲得が可能か
2、市場規模が十分大きいか(成長し続けられるか)
3、市場獲得後、維持可能か
4、市場獲得しきったあと、利益がでるか
メモ。