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新型コロナ、抗マラリア薬で死亡率増加 治療効果みられず

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    マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー

    9万人を超える患者データをもとにしたクロロキン、ヒドロキシクロロキン治療に関する解析結果が昨日付で医学雑誌Lancetに報告されています。

    こちらは、薬の有効性を示すためのランダム化比較試験ではなく、これまでのデータを遡って解析した研究ですので、「因果関係」を証明するのにふさわしい研究ではないことに注意が必要です。

    ただし、9万人ものデータを扱うことができたおかげでとても沢山の交絡因子(致死率に単独で影響を与えうる持病や年齢など、バイアスを生み出す他の因子)を調整できている強みがあります。

    その上で、致死率を算出し、クロロキンやヒドロキシクロロキン投与のグループで、投与されていないグループと比べて致死率増加と関連していることが報告されており、少なくとも薬の有効性には後ろ向きなデータと言えるでしょう。

    また、診断後48時間以内に薬が投与された患者のみを扱っており、「投与が遅すぎた」などの原因は究明しにくいデータとなっています。

    クロロキンには、不整脈のリスクが以前から報告されていて、実際不整脈の発症との関連も示唆されていますが、薬物に特徴的な不整脈の出現であったかどうかまでは解析できておらず、直接の死因に繋がっているかどうかはわかりません。

    もう一つの可能性として、クロロキンの持つ炎症や免疫を抑えるような効果が患者の治療経過に悪影響を与えた可能性も指摘し得ます。

    いずれにせよ、クロロキンやヒドロキシクロキンを標準治療に用いていた国には影響を与えるに十分な試験結果となりそうです。

    なお、偶然か必然か、レムデシビルの有効性を示唆する報告が同日NEJMで公表されています。

    ヒドロキシクロロキン内服を表明しているトランプ大統領が、この試験結果を受けてどんなコメントを出されるのかは興味深いところです。

    引用文献: https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31180-6/fulltext


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    産婦人科専門医 医学博士

    ランダム化比較試験ではなく、後ろ向きコホート研究ですが、約10万人対象の大規模な研究のため、かなりバイアスを排除できている結果ではないかと。

    少なくとも新型コロナの治療薬としては否定的な結果と解釈できます。

    治療薬として可能性のある候補薬が複数あがっている中で、少しずつこういったデータがでてきているので、ワイドショーなどは憶測で議論せず、粛々とエビデンスの蓄積を待って頂ければと思います。


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    総合内科医 医学博士

    ヒドロキシクロロキンやクロロキンはコロナの治療として、アメリカなどで広く使われている抗マラリア薬に分類される薬です。トランプ大統領が「予防的に内服している」と発表したことで先日話題になりました。昨日公開されたLancetの論文では「治療効果がみられず、死亡率が増加した」とのことですが、解釈の仕方は難しいです。

    Lancetに掲載された論文は大規模な観察研究で、交絡因子を排除するための調整を行っていますが、「ランダム化比較試験」ではないため、様々なバイアスが潜んでいます。

    わかりやすい交絡因子としては、「重症度」です。現場では重症患者には、「ダメかもしれないけどこの薬を使ってみよう」と、治療薬が使用されやすい傾向があります。もともと状態が悪い患者に薬が使われると、どうしても薬剤を使用した群で死亡者数が増え、結果的に「薬剤を使った患者で死亡率が高かった」という風に見えてしまいます。

    ただ、これまでに発表されたヒドロキシクロロキンやクロロキンに関する観察研究も「使っても使わなくてもあまり変わらない」という結果を示すものが続いており、その文脈で考えると今回の結果からも、「治療効果を期待できる薬ではない」という風潮になっていくと思います。


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