【熱弁】「トヨタだけ」を守れば良いわけではない

2020/5/13
そのスピーチからは、日本経済の“砦”としての矜持がにじんでいた。
5月12日、トヨタ自動車は2020年3月期の連結決算を発表した。同日オンラインで開催された記者会見のハイライトは、決算数字ではなく、豊田章男社長のスピーチだった。
トヨタはいかにあるべきか──。
豊田社長の口から語られたのは、コロナ禍という厳しい環境下における、トヨタという企業のあり方だった。
記者会見で、何を語ったのか。決算数字と共にアップデートする。

減収減益も「ノーサプライズ」

豊田社長のスピーチの前に、2020年3月期の連結決算の数字を頭に入れておこう。
売上高は前年同期比2956億円減の29兆9299億円、営業利益は同246億円減の2兆4428億円
レクサスを含むトヨタ単体のグローバル販売台数は同1万9000台減の895万8000台となった。