【正頭英和】世界が認めた「新時代の英語教育」

2020/5/2
「教育界のノーベル賞」と呼ばれる「グローバル・ティーチャー賞」のトップ10に選ばれたことが話題の、京都・立命館小学校教諭の正頭英和氏。
インタビュー第2回では、正頭氏が取り組んできた「PCゲームを活用した英語教育」の詳細に迫る。

『マインクラフト』を授業に活用

──正頭先生は、どのような経緯で「英語」と「ICT」の2分野を担当することになったのですか?
正頭 もともと僕は英語科の教員です。
別に大学時代にコンピューターをずっと触っていたわけでもないし、自分のYouTubeチャンネルやTwitterを持っていたわけでもなく、ITに関しては本当に普通の人でした。今はTwitterもやってますし、YouTubeチャンネルもそのうちと思っていますが(笑)。
なので、2017年にICT教育部長をやってほしいと当時の校長先生から言われたときも「比較的若いから任せてみよう」くらいのノリだったと思います。
立命館小学校でのICT教育への取り組みが評価され、「グローバル・ティーチャー賞」のトップ10に選出された正頭氏。その授賞式にて、プレゼンターの俳優、ヒュー・ジャックマンと(写真:正頭氏提供)
小学校には、いわゆる「情報の先生」がいません。中学校には技術の先生、高校には情報の先生というように、テクノロジーに通じた先生が必ずいるのですが、小学校は全科制なので、コンピューターが得意な先生なんていないのが普通なんですよ。
ただ僕も当時30代前半で、若手とは言われなくなる年齢に入っていく時期だったので、そろそろそういう役職もやらなくてはと思い、引き受けたというのがきっかけです。
ICT教育部長という肩書を持っている以上、授業の中でコンピューターを使わないのも、ちょっとダサいなと(笑)。
そこで、何とかしなければと思って試行錯誤した結果、誕生したのがマイクロソフト社の『マインクラフト』というゲームを使った英語の授業だったのです。