旭日大綬章に榊原定征氏 外国人でビル・ゲイツ氏―春の叙勲
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残念ながら、日本の「叙勲」はストレートにおめでとうと言えるものではありません。日本の政財界が変わらないひとつの原因は「勲章の色」だからです。
たとえば経団連会長。今回、東レ元社長の榊原定征氏が旭日大綬章に選ばれましたが、これは経団連会長を務めたからです。裏を返せば、経営者として立派な勲章をもらうには、経団連の会長を目指すしかありません。財界での政治ゲームに勝たなければいけないのです。どれだけ日本経済に貢献していても、どれだけ多額の納税をしていても、ダメです。
いまの叙勲は歪んだ制度だと思います。基準はあいまいで、きわめて政治的。対象はどんどん増えていて、記事では「2003年秋の叙勲制度改正以降、過去最多だった」とあります。政権にとって、とても都合がいいので、大盤振る舞いしています。
かつては受章を拒否する人たちもいました。毎日新聞の名物記者、栗原俊雄さんの名著『勲章』(岩波新書)という本があります。アマゾンレビューに端的な要約がありました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4004313066
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山岡鉄舟や福沢諭吉は、「新政府成立で自分の功績は大きすぎて、勲章なんぞで格付けされるのは迷惑」とばかりに断った。細川護煕は単に「叙勲が煩わしい、位人臣を極めた上に勲章など不要」と感じている。辻井喬や大岡昇平、大江健三郎、城山三郎は「天皇、国から勲章を頂いて自由に国を批判できるのか」と疑問を持った。杉村春子は単に「大きすぎる」という。
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ビル・ゲイツ氏の受章はあくまでも例外です。「お上」に評価されるのを待つのは不健全です。記事を作る立場からも、いい仕事をされている方をどんどんメディアで取り上げていきたいと思います。ちょっと意外なニュースでした。
外国人の叙勲というと政府関係者、教育関係者、医療関係者が多いです。
MSの経営者としてではなく、B&M財団の関係者としての叙勲ということですね。
過去の外国人叙勲名簿は以下のURLから見ることができます。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/protocol/jokun.html