【ファクト解説】東京は「医療崩壊」に耐えられるのか

2020/4/4
日本で、新型コロナウイルスの感染者数が3000人を超えた。
実際のところ、日本の医療体制は、この状況にどこまで対応できるのだろうか──。現状では、感染者数増の数字だけが独り歩きし、この重要なファクトはまだまだ知られていない。
NewsPicksは、特に東京都の医療体制の現状について、都や厚労省への取材を敢行。「医療崩壊」への備えについて3つのポイントから切り込んだ。

①今現場で、何が起きているのか

今や、東京や大阪などの都市部で、救えるはずの患者も救えなくなる「医療崩壊」がいよいよ現実味を帯び始めている。
4月3日現在、日本全国の感染者数は3129人(クルーズ船除く)。そのうち東京が773人(24.7%)とトップで、次いで大阪が346人(11.1%)となっている。
3月23日時点で、東京で入院中の患者は119人だった。これが10日後の4月2日には628人と約5倍に膨れ上がった。
一方、この間に退院した患者は、わずか9人。同じ期間に12人が亡くなっているため、結果的に509人の増加に対し、入院者数は21人しか減っていないということになる。
何よりも、気になるのは東京の医療体制のキャパシティだ。
まず、都内で本来、新型コロナの患者に対応することのできる、感染症の「指定医療機関」は12機関で、現状でも病床数は計140病床しかない。