【新】列島縦断パニック。コロナ危機で凍る、ニッポンの不動産

2020/3/23
南国のリゾート、沖縄から観光客が消えた。
県の観光PRを担当している沖縄観光コンベンションビューローによれば、今年3〜5月のインバウンド(訪日外国人旅行者数)は前年同期比84.7%の大幅減となる。
沖縄から観光客が消えた(写真:Wah Ray Tsang / EyeEm / GettyImages)
那覇市の空港近くにあるビジネスホテルでは、中国・台湾の団体客によるキャンセルが殺到し、客室稼働率が10%以下にまで落ち込んだ。
例年なら80%台を確保しており、まさしく壊滅的打撃だ。
「ネット予約で宿泊料を半値以下にして、なんとか稼働率50%にまで近づいている。まったく動かないよりはマシだが、まるで儲からない」と担当者は嘆く。
恩納村の旅館関係者も諦め顔だ。「宿泊客全体の3〜4割を占めていた中国・台湾・香港の客がほぼゼロになった。たまに入ってくる予約も、ほとんどがキャンセルになる」
2019年のインバウンドは約3188万人、日本全国に落としていったおカネは4兆8113億円。うち半分が宿泊費と飲食費だ。
インバウンドのホテル宿泊者数については、沖縄は東京、大阪、北海道、京都に次いで全国5位。県人口145万人に対して、年間601万人(延べ)の外国人がホテルを利用している。
新型コロナウイルスによるインバウンド需要減少は、今や県内経済を大きく揺るがしていると言っていい。

インバウンドが押し上げる地価

今回の騒動が起きるまで、沖縄の地価は急上昇していた。