【丸亀製麺 社長】「こうなりたい」と強烈にイメージしなさい

2020/4/27
新型コロナウイルスの感染拡大防止策に伴う営業自粛、休業要請によって、甚大な打撃を受けている飲食業界。釜揚げうどんチェーン「丸亀製麺」で急成長を遂げてきたトリドールホールディングスの粟田貴也社長もまた、嵐の真っ只中に立つリーダーの一人だ。

吹きすさぶ風を受けながらも、意外なほどに彼の目は輝いていた。危機に際し、一層揺るぎないものになったと語る「仕事の哲学」とは。インタビューは4月9日、オンラインツールを駆使して行われた。(全7回)

「豊かさ」への憧れ

私が起業したのは23歳のとき。1軒の焼き鳥屋を開いたのが、飲食業界に足を踏み入れた第一歩でした。
会社員ではなく、起業の道を選んだのは「豊かさ」への憧れから。
中学生の頃に父が脳卒中で倒れて急逝し、母子家庭になった私は、困窮まで行かずとも、自由になんでも食べられる暮らしがしたいという思いを人一倍、抱いていたのです。