子どもの感染、大人と変わらず 新型コロナ、米中チーム
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注目のコメント
子供の感染者数が少ないことに関して、感染する確率が本当に低いのか、それとも軽症者が多いだけで見逃されているだけなのかという議論がありましたが、こちらの記事で紹介されている研究結果は、後者をサポートするものでした。
要約すると、中国の特定地域における「濃厚接触者」の観察および検査結果の解析から、成人と子供で二次感染を起こした確率に大きな差がなかったことを指摘しています。
ただし、本論文は、preprintであり、peer review(第三者によるチェック)が行われていないことに注意が必要です。また、中国の限られた地域の限られた集団でのデータであり、生活スタイルなどに違いのある他国でも本当に当てはめられるのかといった点にも注意が必要です。
著者らはさらに、感染した子供が実際に感染拡大に大きく寄与しているかどうかまで示した研究ではなく、それは別途解析される必要があり、学級閉鎖の有効性も「明らかではない」と述べています。
論文の全ての内容を短い記事で紹介するわけにもいかず、情報の切り抜きになってしまうことには理解もできますが、研究の限界が示されず、論文の一部が切り取られて誤解を生むことに懸念もあります。
一つの研究が、「真実」を導くわけではありません。いくつもの研究結果が合わさって初めて、真実に近づくのです。
このような記事では、せめて引用文献が示されると良いと思います。こちらの記事では、その役割を私がさせていただこうと思います。
引用文献1(元論文):https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.03.03.20028423v1.full.pdf
引用文献2(Nature):https://www.nature.com/articles/d41586-020-00154-w山田先生、元論文の引用ありがとうございます。
この記事、特にタイトルから安易に、『子どもも同じくらい感染する→子どもを守らないと→やっぱり休校大事、イベントも中止』という発想に(マスコミが)ならないように。
むしろ逆で、子どもはかかっても軽くすむわけで、子どもたちが行動制限を強いられているのは、子どもを守るためではなく、あくまで、重症化ハイリスクの方々を守るため、としか解釈できないですが、そもそもその意義も明らかではないです。
WHOと中国の研究チームの報告で、中国での感染の約8割は家庭内、という報告があり、だから子どもや若者はあまり出歩かないように、といった論調のメディアを見かけましたが、
核家族がほとんどの日本とは生活スタイルも違うでしょうし、そのまま日本に当てはめられるわけではないです。子供の感染例が少ない、というデータや記述が「子供は感染しにくい」と解釈されることに違和感があったので、こういう研究が出てきて嬉しいです。
新型コロナへのコメントで、なんらかの専門家であってもデータリテラシーが高いわけではないことを皮肉にも理解しました。
その罪深さも。
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山田PROのコメントは足りない専門情報を中立的に補足してくれていると感じます。ありがたい、判断指針にしています。