【尾崎容子】亡くなった後も耳は聞こえている

2020/3/10
高齢化社会日本。2025年には年間150万人以上が死亡し、ピークとなる2040年には168万人が死亡すると予測される。介護や看取りは他人事ではない。そして、自分自身もいつかは迎える「死」。

もう積極的治療は難しく余命を考えるようになった時、あなたはどこで最期の時間を過ごしたいだろうか。

訪問診療医の尾崎容子氏は、人生の終末期を自宅や施設で過ごす人を支え、多くの人を看取ってきた。最期までその人らしく過ごせるように寄り添い、支える家族や周囲の人に「看取り勉強会」を開く。

「知らないことで不安になる。身体の弱りや死について、きちんと知識を持つことで不安は減ります」と語る尾崎氏の看取りのあり方とは。(全7回)

五感を大事にしたケアへの移行

最期の日が近くなると食事が入らなくなります。
食べることができなくなると、眠ったり起きたりを短い時間で繰り返し、話しかけても返事をしたりしなかったり。時には全く反応がなかったりするでしょう。
このような状態でも、五感ははっきりしていることが多いのです。ですから五感を満足させるようなケアをお勧めしています。