学校では教わらなかった大人の世界の民主主義
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いつも世論調査の結果が不思議で仕方ありませんでした。
「信用できない国のトップが、内閣支持率が高い」ことをちゃんと解説してくれている気がしました。
人の意見は色々で尊重されるべきですが、不正義を許容することは間違っています。でも何が正義で不正義かは、意見も色々でしょう。
筆者が解説している4象限のどの象限の意見かをお互いが明確にして、意見の折り合いをつけていくかが、「大人」の世界でしょう。
野次を飛ばしたり、感情的になって、議論そのものが成立していない「子供」の世界を見せつけられるにつれ、日本の劣化と思っていました。
そこに冷静な分析を加えている筆者の権丈善一教授の分析には目から鱗でした。
以下切り取りですが、ご興味を持っていただけたら、全文をお読み頂ければと思います。
>民主主義社会においては、「合理的無知」であることを選択した有権者の耳目にまで情報を運ぶコストを負担できる者、すなわちキャンペーンコストを負担することができる者が多数決という決定のあり方に影響力を持つことができる。
>資本主義社会の下で財力を持つ集団は経済界であるから、民主主義というのは、本質的に、経済界が権力も持ちやすく、そこでなされる政策形成は経済界に有利な方向にバイアスを持つことになりがちである。
>長期的・マクロ的視野で政策を考える官僚が、短期的・ミクロ的な視野で得票率極大化を図ろうとする政治家を、牽制する力が弱まるのは間違いない。その結果、この社会の未来はどうなる? 少なくとも言えるのは、未組織な有権者たちが直感的に嫌がる話をとことん避けるのであるから、選挙にはめっぽう強い政権が生まれることである。実感としては、衆議院での小選挙区や参議院での一人区、つまり1議席を巡って争われる選挙制度のほうが、より影響が大きい気がします。
こうした選挙制度は、ただでさえ「多数が有利」という民主制の傾向に拍車をかけることとなり、若年層・現役世代よりも高齢者層、個人よりも組織の影響が強くなり、現在の与党の政策が形成されています。
もちろん、その組織の一部である教員組合の立場上、こうしたことは、学校では教えられないでしょうね。だからこそ、余計に若年層は選挙に対し無関心になるのです。