19年の中国成長率、6.1%増 米中摩擦で29年ぶり低水準
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2019年の実質GDP成長率は前年比6.1%となり、市場予想6.2%を下回りました。
以前もコメントしましたが、中国はGDPを2020年までに2010年比で倍増するという目標を掲げています。
19、20年の両年で平均6.2%成長が目標達成の必須条件でしたが、昨年発表された経済センサスの調査結果により修正されています。具体的な数字は不明で、過去に遡った改定値の発表も注目しています。
一方、2019年における四半期ごとの推移をみると、1Qが6.4%、2Qが6.2%、3Qが6.0%で、今回の4Qも6.0%と徐々に低下傾向にあります。
今年は目標達成に向け、緩和的な政策が続くとみられます。例えば財政面では、インフラ投資なども増えるとは思いますが、2008年の金融危機後における4兆元の景気刺激策のような、副作用のきついバラマキ型ではなく、5Gインフラの整備など、未来志向型の投資が増えるのではないかとみています。これまでの高成長が投資主導、製造業主導で達成した「持続困難な成長モデル」であり、中国政府はこれに代わって、消費主導、サービス業主導の「持続可能な成長モデル」に移行させている局面にあります。これから長期にわたって成長率は低下していくのが自然な姿なので、「29年ぶりの低い伸び率」という点にニュース性はないと思います。問題になるのは、失業増をもたらす急失速を回避して、緩やかな減速に誘導できるかどうか。その点、足元の中国景気は十分にコントロールできていると思います。