【ポイント解説】トランプ大統領の中東政策を理解する4つの疑問

2020/1/16
中東問題を考える上で重要な鍵を握るのが、世界の超大国、アメリカの動向だ。
トランプ大統領は、イランの軍事指導者を殺害するという大胆な攻撃に出てイランとの緊張を一気に高めた一方、軍事対立のエスカレートは慎重に避けるなど、冷静な対応を見せた。
トランプ大統領の外交政策は、通商政策と同様に、「ディール」によってアメリカの強さを見せ付けようとする側面がある。そのタイミングを事前に予測したり、意図を測るのは難しい面がある。
専門家は今回のイラン問題をどのように見ているのだろうか。素朴な疑問をぶつけてみた。
2019年1月3日、イラン革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官が米軍のドローン攻撃によって殺害された。
ソレイマニ司令官は、イランの中東地域における勢力拡大に貢献してきた軍事指導者。暗殺計画は、ジョージ・W・ブッシュ政権(任期:2001年1月〜09年1月)から検討されていたといわれている。
だが、ブッシュ政権も、その後のオバマ政権(任期:2009年1月〜 17年1月)も、イランに与える影響の大きさを考慮して、実行に移すことはなかった。
そのソレイマニ司令官殺害に、トランプ大統領が踏み切ったのはなぜか。