ユニゾ、EBOで株式非公開化 従業員とファンドの新会社
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注目のコメント
TDnetにユニゾから深夜の開示が出ています。下記はそれをざっと読んだ感想です。
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本件は、ローンスターがスポンサーで、でも公開買付人たる買収SPCの大株主はユニゾの従業員という、奇妙なストラクチャーのTOBに対する賛同表明のようです。
買収SPCの普通株式の資本構成が、TDnetで公開されている取引ストラクチャーのポンチ絵には開示されていませんでした。私は、開示されていない理由は、従業員の出資額は1750億円という巨額の買収資金からすると僅少だからだと推察します(普通の従業員には何人集まったって意味ある金額を用意することはできません)。
結局、ローンスターがローンと優先株式にて買収に係るほぼ全ての必要資金を提供するということなのだと思います。だから、本件のスポンサーはローンスターです。
ローンスターが慈善事業をする訳はありませんから、エコノミクスのほとんど全てはローンスターに帰属するのでしょう。
なので、(MBOへの社会的な批判は過去15年ほどで溜まるに溜まりましたので)今回EBOという大義名分 & 従業員の雇用維持を主張し続けたユニゾ取締役たちのメンツの維持を付したうえで、実質的なローンスターによるバイアウトが決まったのだと、私は読みました。
註釈: 従業員には取締役の兼務者は含まないとのことですので、MBOのような利益相反構造にはないと説明しています。まず、時系列でTOB価格を追ってみたい。
7/10:3100円(HIS)
8/16:4000円(Fortress、当初会社賛成が9月27日に留保に変更、昨日の発表をもって反対に変更)
10/16:5000円(Blackstone)
12/22:5100円(ローンスター)
開示資料でスキームなどが一番わかりやすいのが下記。
Akiさんもコメントされているように、結局資金のほとんどはローンスターから出る。買収下限は2/3だが、成立すれば完全TOBをする予定。そのうえで、優先株がどういったスキームなのかが気になる。
あと、下記資料7ページ目にあるが、代表取締役含めて取締役・監査役・前執行役員が辞任する予定。これまで従業員保護という言葉が出てきていたディールだが、マネジメントが従業員保護においてすべき役割というのはなんだろうという疑問を抱かずにはいられない…
https://www.unizo-hd.co.jp/news/file/20191222_7.pdf