【宇田川元一】経営者・営業・プログラマ…組織の断絶はなぜ起こるのか
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注目のコメント
僕としてはこういうことをインタビューで話したかったんだよね、という内容です。
今回のテーマが、「時計」をテーマにしたものだったのですが、実は僕自身は時間と組織とナラティヴというテーマに関して、一時期研究をしていました。なので、今回のテーマはドンピシャというか、あまり語る機会のなかった時間と物語との関係、それと、僕自身の研究で考えていることについてお話をしています。
「チャンスの神は前髪しかない」という言葉がありますが、これは、ある時間(チャンス)は他の時間に対して特別な価値を持っている、という意味です。
例えば、獲物が出てきたときに、タイミングを見計らって仕留める、という時、これは時計で何時何分というのとは異なり、その時その瞬間にだけ、特権的な価値がある時間であると言えます。
時計的な時間のことをクロノス(クロックの語源)と言い、このチャンスとしての時間のことをカイロスと言います。
ナラティヴ(物語)の世界は、このカイロスをどのように捉え直すか、という領域なのです。
・・・と書くと、なんのことやら?という感じがすると思いますが、記事は、今の企業社会への問題意識から、ナラティヴをどのように必然性を持ちながら変えていき、よりよいものへと変えていけるか、ということについて述べています。
冒頭にも書きましたが、こういうことを結構元々考えてきて、お話できてとても楽しい時間でした。
あと、ビジネスメディアでミシェル・ド・セルトーの哲学やブルーノ・ラトゥールの「モノの民主主義」について語るとは思ってもいませんでした。
こういう事を考えながら『#他者と働く』も書いたりしていたので、背景を語れて良かったなあと思っています。
ぜひご一読いただければ幸いです。宇田川元一さんは『他者と働く』という本でナラティヴ・アプローチについて書かれています。そのなかの“他者との溝を埋める過程”というのは、まさに他者の視点を手に入れることであり、スケールを広げることじゃないか! と、この連載の取材を申し込みました。
インタビューのなかで、ナラティヴ(物語)とは「時間」なんだという話が出てきました。時計が刻んでいる客観的な時間と、主観的な物語としての時間。この説明を聞いて、過去の経験が今の自分をつくっているということと、人や組織がもっと自由に変われることが両立するんだと感じました。
Seiko Astronのスポンサードでお送りした連載「スケールチェンジャーが見る世界」も今回で最終回。Astronがメッセージしている挑戦や革新を「思考のスケールを拡張する」という切り口で取り上げてきましたが、取材させていただいた皆さんのお話しがところどころリンクしながら展開していくようで、個人的にも新しい視点や発想をたくさん得ることができました。全5回を通して読んでいただけると嬉しいです。
追記: 宇田川さんイチオシの『日常的実践のポイエティーク』(ミシェル・ド・セルトー)。取材後に調べてみたら絶版で、Amazonのマーケットプレイスで古書が2万円弱。ほしいものリストに入れておいたんですが、今見たら2冊とも売り切れている…やはり「チャンスの神様に後ろ髪はない」のですね。自分ではなかなか気づくことができないのですが、自分では気づくことができないということに自分で気づく必要があります笑
「どうすれば自分の物語に気づくことができるようになるか。これは、自分一人で頑張るよりも、他者の視点を借りて助けがあったほうがいい。私たちは、他者を必要としている存在なんです」