EU、デジタル通貨検討へ リブラ懸念、中銀に要請か
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リブラとデジタルCNYを比較する議論には常に違和感がありましたが、この展開は正直、あると思っていましたし、実際に国際会議の報告書にも出ていました。
リブラが容認されるとしたら可能性は1つしかありませんでした。それは「中国にやらせるくらいならFBにやらせる」という発想です。だからマーカスは「誰かがやるぞ?」と公聴会で言っていました。
しかし、もう1つの可能性としてカーニーの言っていたような合成覇権通貨の可能性があり、主体で言えば、それは「先進国皆でやる」という話です。この話はそういう話でしょう。次世代の基軸通貨を目指すのであれば、ECBによるデジタル通貨発行と、国際決済の利便性確保は当然な流れでしょう。
今年に入ってからカナダ(Bank of Canada)とシンガポール(MAS)が実証実験を実施したり、BISがハブを立ち上げたりと法貨のデジタル化と決済に向けた動きが加速し始めています。先日のG7の報告書でも、政府デジタル通貨の可能性について言及されており、今回の検討はこれに沿ったものと理解しています。
デジタル通貨は、適切に管理されれば、紙と金属の通貨より効率的なのはほぼ明らか。問題は「適切な管理」がどこまで可能か。それには相当規模の有形無形のコストがかかるので、実現はまだ不透明ですが、新しい通貨利権獲得の戦いが始まったという見方もできると思います。