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日本もまたマルサスの「人口の罠」に最も翻弄された国の一つでしょう。江戸時代の260年間には3000万人で安定していた人口が、明治になってから激増し、1940年には8000万人に達しました。また、台湾と韓国を併合したことで1000万人口を新たに抱え、そちらでも人口が増え続けました。
 人口ボーナスといいますが、人口が増えるだけで、その恩恵に与れない国もたくさんあります。南アジアやアフリカにはそういう国がたくさんあります。
 明治から昭和初めにかけての日本も産業の発展が歪な国であり、人口急増の負担は農村にのしかかりました。昭和になる頃には農村の窮乏は頂点に達します。中国での土地獲得や数百万人単位での移民が唱えられるようになりました。
 昭和初めの日本やヒトラーのドイツは、戦争で土地を獲得して人口問題を解決しようという発想でした。国民の窮乏を目の当たりにしてきた彼らには、それはリアリティのある発想でした。もちろん、正解は戦争で土地を奪うことではなく産業構造の転換だったのですが。
 中東やアフリカは、増え続けた人口を人口ボーナスに転換するには、(産業転換のだめの)条件が整っていない国が多いです。イラクやシリア、アフガニスタン、エリトリアなどからヨーロッパに数百万人が移動を続けているのは、いわば序章でしょう。今後、水不足や食糧問題も相まって、ヨーロッパへの移動だけではなく、イラクやシリアで起きてきたような内戦、近隣諸国との紛争も増えていくでしょう。
人口はかつて、多いことが必ずしも良いとはみられていなかった時期があります。重要なのは、生産年齢人口(15−64歳)と非生産年齢人口(0−14歳、65歳以上)で、そこから導き出される従属人口比率(非生産年齢人口÷生産年齢人口)です。

かつては、0−14歳、つまり子どもの非生産年齢人口が多く従属人口比率が高かった。生産年齢人口に以降する前に死亡してしまうという状態がありましたが、公衆衛生の改善により、開発途上国において子どもの年齢から生産年齢人口に移行する人々が増えて生産力に転化するという流れになりました。フィリピンは結構最近まで比較的この昔の状態に近かったのですが、そうではなくなり、生産年齢人口がぐっと増えている、というのが現在のタイミングであり、足元で減速はみられるものの、ここ2、3年は6〜7%という成長率を達成していました。

また、とても単純化すると労働人口×資本(×技術)が重要で、この両輪が備わった国が経済発展し、テイクオフするという図式です。タイ、マレーシアは、国内の生産人口比率が高まり、かつ国内資本で足りない部分を日本などからの外資呼び込みで補うことで成長し、上位中所得国に成長しました。同じようなパターンできているが、インドネシア、ベトナム、フィリピンで現在は下位中所得国となり、安定した成長がもう少し続けば上位中所得国になります。

アジア四昇小龍と呼ばれた国および地域(韓国、台湾、香港、シンガポール)は、ベースとなる人口が少ないものの、資本部分が強く効いたと言えます(加戦前からの教育制度、軽工業・貿易業のベースがある程度あったことも大切。モノカルチャーだったマレーシアやフィリピン等と事情が異なる。独立国家だったタイは少し別の議論が必要)

そして、今後は高齢化により従属人口が上昇することになります。ただ、かつての子どもが多い時代の従属人口が高い状態に比べると、高齢者が労働力として考えられる点が異なります。

伝統的な定義に従うと15−64歳が生産年齢人口ですが、現状では上位中所得国以上であれば、下限は高校卒業の18歳前後が適切で先進国は上限が70歳へと向かっている状況です。

また、テクノロジーによるリープフロッグなども考えると、技術というかけ算要素の重要性が一段と高まる時代と思われます。
人が増えるには、その人口を養える食糧が必要です。その食糧生産には、土が貢献しています。20世紀の人口爆発には、1910年前後に、大気中の窒素から肥料の原料となるアンモニアを合成する「ハーバーボッシュ法」が生まれたことも貢献していると言われます。「空気からパンをつくる」と呼ばれた技術です。

逆に言えば、土が失われるとき、人は危機に陥るかもしれないのですよね。
過去は前に書いた特集ですが、ご参考まで。
https://globe.asahi.com/article/12405382
国家間の緊張は人口問題で解き明かせる。というおもしろい内容です。ということは、現在の米中問題も、人口問題が一要因ということに。

今後はインドや東南アジア、アフリカが火種になる可能性もあるということでしょうか。人口をベースに+アルファで考えると、いろいろなことがわかってきますね。
マルチカラー化は最近のディズニーアニメ見てるとよくわかりますよね。

1.高齢化によって経済的活気がなく、平和な社会が広がっていく。介護と社会保障の問題の解決が迫られている。

2.環境に優しい世界が実現されることだ。人口増加率が低下すればそれだけ自然に戻せる土地が増える。

3.白人の減少である。すでに世界中がマルチカラーな社会になりつつある。

この三点の指摘と、塩崎先生のコメント。
国連が行った2100年までの人口ピラミッドの推移の予測によると、2100年時点でもまだ世界の人口ピラミッドは、2019年現在の日本のそれよりも渋くない形状を維持しているようです。

(以前この論点についての記事を寄稿させて頂いたことがあり、ご興味ある方はご笑覧ください。)
https://limo.media/articles/-/9746

そこからみえてくるのは、21世紀の残り80年間は、貧困削減のような課題解決もさることながら、増え続ける人口が消費する食料、エネルギーを確保する一方で地球の環境の持続性の確保が優先事項であり続けるだろう、ということです。

それを乗り越えられたら、22世紀については、世界の人口ピラミッドの形状が日本化してきて世界が少子高齢化に対応する、という時代になるのかもしれません。
人々は人口動態に対し、意識を向ける機会が少ないのは事実。

仮に自分が住む市区町村の人口が1万人増加するとします。交通渋滞が増え、飲食店も混雑し、すぐにそれ体感しますが、約10,000km離れたアフリカの人口が爆発的に伸びていても直接的な影響を受けないからです。

バタフライ効果という言葉がありますが、人口増加が与える直接的・間接的影響をもっと理解する必要があると感じました。
低成長の裏には人口減があるという見方と、いやいや金融財政政策が悪いという見方でこの10年ほど対立がありますが、こうした対立の検証にはまだ時間がかかりそうです(時間がかかるゆえに、実際に科学的に因果関係を推論するのは難しい面もあるのですが・・・)。
国の為政者が人口の量と質をどう捉えて国の方針をとったか、分かりやすい。
確かに、これまでの長期で見れば、各国の経済成長率は、生産年齢人口の伸びや、人口ボーナス指数と明確な関係があります。
この連載について
忙しい現代人こそ、読書が必要だ――。 近年、教養を身につけることの重要性が叫ばれているが、意欲はあっても、読む時間を十分に取れないビジネスパーソンが多いだろう。NewsPicks編集部は、本の要約サイト「フライヤー」とコラボし、毎週土曜日に、話題のビジネス本の要約をお届けする。1冊約10分程度で本の中身を理解できるもので、まさに現代のビジネスパーソンにぴったりの内容。週末のひとときで新たな知識を手に入れてほしい。